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【指定カテゴリ】 ・治療開始前の質問


 カテゴリ: 【お母さんからの質問】 治療開始前の質問 永久歯に生え替わってから
受け口の第二期治療の時期について
2014年4月23日(水)18:41:41相談者:ともぞう(男性)13歳 北海道
この春中学二年生になった息子の矯正について相談させてください。息子は受け口で小学2年から矯正を始め、前歯のかみ合わせを直し、歯を並べるスペースを作るための拡張、フェイスマスクなどを使い順調に進んできたと思います。現在は三ヶ月に一度経過観察中です。ですが先日、レントゲン(年一回)の結果、顎の成長は見られないのでそろそろブラケットをつけると言われました。今まで何も不安なくおまかせしていたのですが、私自身受け口で遺伝によるものだと思いますし、男の子なので身長はまだまだ伸びると思うので、このまま経過観察をしていただきながら身長が止まってから装置をつけると考えていたので担当医のお話に戸惑っています。
今回のレントゲンの結果では顎の成長はなくてもまた一年後のレントゲンの時には成長してるのではと不安です。
お聞きしたいことは以下の4つとそれ以外にもアドバイスがありましたらよろしくお願いします。

1 今、装置を付けるメリットはあるのか
2 もしつけた後で顎が成長してきたらどうなるのか
3 付ける時期をこちらが希望してもよいのか
4 受け口の場合の最適な装置を付ける時期は?

回答 Re:受け口の第二期治療の時期について
2014年6月4日(水)14:38:39回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 ともぞうさん、的確なご質問ありがとうございます。
 骨格性の反対咬合の治療には、おっしゃるように下顎の成長に対する評価が非常に重要です。このため、治療は成長の評価を行いながら、仕上げの時期を見定める必要があります。

 身長の伸びだけ見ると、女性の場合は小学校5年生から6年生にかけて身長の伸びのスパートがあり、中学校に入ると徐々に成長量が低下し始め、高校生になるとほとんど身長の伸びがなくなるのが通常です。

 しかし、男性の場合には、小学校6年生くらいから急激に身長の伸びるスパートが始まり、中学校1年生、2年生あたりでピークを迎える子が多く、女性より1年から3年も遅く急激な成長が始まります。また、男性の成長のピークにはかなり個人差があり、高校生になってから急激な身長の伸びのある子も少なくなく、大学生になっても、まだ身長が伸びている場合もあります。私の経験では、19歳を越えてから、下顎の成長のために治療した咬み合わせが、また反対咬合へ戻ってしまった症例も大学病院で経験しております。

 このように、男性の成長のピークにはばらつきが多く、20歳近くまで身長が伸びる場合がある事が、ともぞうさんの最もご心配な点と思います。

 下あごの成長はこの身長の伸びに少し遅れてほぼ連動して起こる事が報告されていますので、単純に考えれば、成長が終わる20歳を待って仕上げのマルチブラケット治療を行うのが理想的かも知れません。

  しかし、小学校2年生から治療を始めて、20歳になってから仕上げのマルチブラケット治療を行う事を、ご本人とご両親の納得が得られる場合の方が少ないのではないでしょうか?可及的に治療期間を短くすることも、我々矯正歯科医の重要な仕事です。

 さらに、急激な下あごの成長のコントロールはそれほど簡単なことではなく、むしろそれ以前の小学生の時期に、成長のピークを予測して上下のあごの成長を正常な軌道にのせるという準備の方が大きな意義があると考えています。

 つまり、成長の途中であっても、積極的に歯車をガッチリと噛み合わせるようなイメージで、しっかりと咬める上下の歯の咬合(咬み合わせ)を整え、上下顎の成長のバランスをとるという考えも非常に有意義なことと思います。

 ここまでお読みいただければ、中学校2年生の男性でも、咬合を整える意味があることをご理解いただけるのではないでしょうか?

 どの時点で、矯正歯科学的な歯の移動を行って、成長に介入するのか?
 マルチブラケット治療は単に仕上げという意味だけでなく、残ったあごの成長のバランスを整えるとるという意味の方が大きいという事をご理解下さい。

 
1 今、装置を付けるメリットはあるのか
 >今後のあごの成長を正常な気道にのせるために、緊密な咬み合わせを作ることには、大きな意味があります。

2 もしつけた後で顎が成長してきたらどうなるのか
 >もちろん、そういった事態もあり得ます。しかし、現時点でマルチブラケット治療を行わなくても、同じ結果となるでしょう。むしろ、そのような事態を回避するために、タイミングを計ってマルチブラケット治療を行います。残念ながら、今回行ったマルチブラケット治療の結果が維持できなければ、下あごの成長の終了後に再治療を行います。この再治療の中には、外科的矯正治療も含めて検討する必要があります。

3 付ける時期をこちらが希望してもよいのか
 >もちろん、患者さんの希望はどんどんお聞かせ下さい。しかし、担当されている矯正歯科専門医の知識と経験に基づいた判断を妨害しないようにお願いします。

4 受け口の場合の最適な装置を付ける時期は?
 >一概に判定するのは非常に難しいです。患者さんの症状によって、下あごの成長方向、成長のピークと成長量、歯とあごの大きさのバランスを判定して、患者さん個々に判断する必要があります。
 
 以上、長くなりましたが、また解らないことがありましたら、書き込みお待ちしております。


 カテゴリ: 【本人からの質問】 治療開始前の質問
マウスピース矯正について
2013年11月21日(木)11:28:38相談者:華(女性)26歳 北海道
歯並びでずっと悩んでいましたが、今矯正を考えています。


私の場合、上顎左1番右1番が少し出ていて左2番右2番は引っ込んでいる?感じでどちらも1番に重なっています。
左3番右3番は八重歯で、いわゆる乱ぐい歯?ではないかとおもいます。
これはマウスピース矯正での治療は可能でしょうか?

上顎のみ治療の場合量顎よりも費用はかからないでしょうか?
また色々調べていて、デンタルローンがあると知りました。こちらはどこの医院でも可能なのでしょうか?

回答 Re:マウスピース矯正について
2013年12月27日(金)18:53:45回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 華さん、こんにちは。申し分けありませんが、華さんのご説明でマウスピースでの矯正歯科治療が可能かどうかは判定できません。

 上の前歯がデコボコで犬歯の八重歯もあるようなので、あごに対して歯が大きい事が原因で起きているように思います。このため、マウスピース矯正で現在の歯並びを何も考えずに真っ直ぐに並べてしまうと出っ歯になってしまうかもしれません。

 しかも、上だけの矯正治療をお考えのようですが、上の前歯だけが出てしまうので、前歯でものを咬めなくなってしまうかも知れません。

 したがって、まず矯正装置を選択するのではなく、
 ・なぜ歯並びが悪くなっているのか?歯が大きいのか顎が狭いのか?
 ・顔全体に対して、前歯の位置は現在のままでよいか?
 ・咬み合わせの深さはどうか?浅すぎたり、深すぎたりしないか?
 ・上下の顎の位置に異常はないか?
 ・しっかり咬み込むエラの張ったタイプのお顔か?または、あごが細く、咬む力も弱い細面のお顔か?
 ・舌の機能や呼吸など悪習癖はないか?

 上記のような検査と診断を行い、もっとも適切な治療の方法を選択する必要があります。

 矯正治療は美容ではありませんので、私ども矯正歯科医は歯科医師免許で治療を行っています。矯正治療はとかく、美容室で髪型や色を決めたり、ネイルサロンと同じようにお考えの方もいらっしゃいますが、まったく違います。

 また、マウスピース矯正もたくさんの矯正装置の中の一つです。
 適応症の患者さんにとっては、非常に目立たなくて簡単で便利な装置です。
 マウスピース矯正には適応症があり、治療に使用できる症状は、それほど広範囲ではありません。このため、矯正歯科医による診断が必要不可欠です。

 装置自体は非常に簡単なものですから、歯医者であれば技工所へ製作を依頼することができますし、実際に歯の移動を行うこともできます。

 しかし、その方の治療に使用して良いかどうかの診断は簡単ではありません。マウスピース矯正の適応症でない患者さんに使ってしまうと、前歯が咬み合わなくなってしまったり、治療する前より出っ歯になってしまったり、一時的には良くなっても、またすぐに再発してしまうなどの副作用が発生する事があります。

 ネット上では良いことばかりを並べたてたサイトもありますので、そのようなサイトには充分ご注意下さい。そのようなサイトをお持ちの方は、実際にはあまり治療をされた経験がない方と思います。

 マウスピース矯正のような簡単に見える治療でも、しっかりとした矯正歯科医のもとで治療を受けた方が良いと思います。

 ぜひ一度、お近くの矯正歯科医で話しをお聞き下さい。矯正歯科医の選択の基準は、日本矯正歯科学会の認定医以上を取得され、日本臨床矯正歯科医会のメンバーであれば、なお安心です。

 また、解らないことがあれば、書き込みお待ちしております。


 カテゴリ: 【本人からの質問】 治療開始前の質問 永久歯に生え替わってから
差し歯による見た目の歯並びの改善
2013年6月4日(火)18:36:32相談者:あまねね(女性)17歳 東京都
私の犬歯2つは他の歯の列より上から生えており前方に飛び出している状態で、よく上唇に引っかかり傷をつけてしまいます。まさにドラキュラのような歯です。前歯は大きくて平たくそれも前方に出ていて、歯型が[←このような形になります。矯正も考えましたが見た目だけで良いので一刻も早く歯並びを治したく、もし今の私の歯が綺麗に並んだとしても前歯は大きすぎその両隣の歯は小さすぎ犬歯は鋭すぎるため見た目は良くならないと思います。私は虫歯になったことがなく、何本も削ったり抜いたりするのはもったいないような気もします。しかし矯正をしている時間がありません。そこで陶器の歯を被せる治療を受けたいとのです。その際に犬歯は抜いてしまって前歯4本にセラミックを被せて見た目を揃える(つまり前歯の数が2本減ってしまいます)ことは出来ますか?それとも、犬歯だけまず矯正するしかないのでしょうか?そして下の歯も少し並びが悪いので、差し歯にしようと思うのですが上下の前歯が陶器の差し歯だと割れたりなどの危険性はありますか?また、下の歯並びはあまり酷くないので、矯正で時間がかかっても耐えられますが上を矯正しない場合はしない方が良いでしょうか?

回答 Re:差し歯による見た目の歯並びの改善
2013年6月6日(木)14:56:28回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 あまねねさん、歯並びのお悩みのご質問ありがとうございます。
 ご質問が複雑なので、箇条書きにまとめさせていただきました。
 ご希望は下記のようになると思いますが、いかがでしょうか?

1. 見た目だけでも早く歯並びを治したい。矯正している時間がない。
2. 自分の前は形が悪くて綺麗に並んでも見た目は良くならないと思っている
3. 歯を削ったり抜いたりするのはもったいない
4. 陶器の歯を被せる治療がしたい
5. 左右の犬歯を抜いて前歯を被せる治療は可能か?
6. 上下の前歯を差し歯にすると割れる危険はあるか?
7. 下はあまりひどくないので、矯正しても良い
8. 上を矯正しない場合は下の矯正をしない方が良いか?

 まず、現在のあまねねさんの症状ですが、書き込みから想像すると、あごに対して歯が大き過ぎて歯並びが悪い「叢生」と言われる典型的な状態のようです。さらに、下よりも上で歯並びの悪さが目立つようです。この理由は、上のあごの幅が狭いタイプの上顎前突の傾向がある方か、下あごの大きい下顎前突の傾向がある場合もあります。

 上の歯並びがとても気になっており、できるだけ早く治したいというお気持ちと、治療の方法について、ご自分でとても熱心に調べられたのは良く解ります。

 ただ、少し間違っているのは、「見た目だけでも」というのは考え直した方が良いと思います。見た目だけでも、短期間で、とりあえず、とりあえず・・。という考え方はこれからのあまねねさんの一生を考えると、後でとても残念な結果になると思います。

 歯は人に見せるためにあるワケではありません。きちんと食物を美味しく食べる事ができるようにするのが一番の治療の目的です。さらに、あごの関節や筋肉の調和をとりながら、口元の形を決定するのにも歯の位置は大きく関連しています。歯並びは気になっているようですが、口元はどうですか??

 また、歯を削ったり抜いたりするのはもったいないと思いながら、左右の犬歯を抜いて 陶器の歯を被せる治療がしたいということですが、 歯を抜くのであれば、犬歯ではなくその後ろの同じような形の歯が2本ある第一小臼歯です。犬歯はコーナーにある三角形の根が一番長い歯で、四隅に1本づつしかありません。今は尖っていて飛び出ているので邪魔でしょうが、モノを咬む顎の動作をガイドするために、とても大切な役割のある歯です。こんなに重要で1本しかない歯を簡単に抜いてしまって良いですか??

 ご自分の歯は、形が悪くて綺麗に並んでも見た目は良くならないと思っているようですが、正常な位置にないからそう見えるだけで、私がこれまで治療して来た患者さんで、綺麗に並べても見た目は良くならなかった患者さんは一人もいませんよ! 

 ぜひ一度、矯正歯科の専門医にご相談ください。あまねねさんと同じような歯並びで、治療の終わった患者さんの治療経過と治療結果を見せてもらえると思います。ただし、看板に矯正歯科と書いてあってもダメです。ネットで「日本矯正歯科学会」と「日本臨床矯正歯科学会」のサイトから、お近くの先生を検索して下さい。この中で日本矯正歯科学会の「認定医」を持っている先生が矯正歯科治療をできる最低限の資格です。「専門医」という資格を持っている先生は、どんなに難しい治療もほぼ安心です。さらに、日本臨床矯正歯科学会のメンバーであれば、なお安心です。

 歯とは一生のお付き合いです。ぜひ最高の治療結果が得られるように、慎重に治療方法を選択して下さい。17歳と言えばまだまだ人生これからです!!二十歳になった時に自信を持って大きな笑顔で笑えるように頑張って下さい。


 カテゴリ: 【本人からの質問】 治療開始前の質問
セラミックかぶせについて
2013年4月29日(月)18:35:26相談者:まま(女性)39歳 大阪府
私は上の前歯2本の右隣の歯(うまく説明できずすみません)が前に出ていて最近は口を閉じても少し出ています。近くの歯科に相談したところ、出ている歯を削りセラミックの歯を上から被せる方法を勧められました。ですが歯並びに納めると隙間がなく小さい歯になるので、その次の隣の歯も削りセラミックをかぶせれば見た目もおかしくなくなると言われました。私としては、虫歯でもない歯を2本神経をぬき削るのに抵抗はあるのですが、2本の作業で20万位と言われています。妥当でしょうか?

回答 Re:セラミックかぶせについて
2013年5月28日(火)00:48:37回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 ままさん、こんにちは。ご質問ありがとうございます。歯を削ってセラミックの歯を被せるのは、我々、矯正歯科専門医の歯並びを治す方法とは異なります。

 歯は大きく3つの層になっています。一番外側は非常に硬いエナメル質で覆われていますが、その内側を裏打ちしているのが、もう少し柔らかい象牙質です。歯の中心部には一般的に「神経」と言われる「歯随」があります。

 虫歯は、一見小さな穴がエナメル質に開いているように見えても、エナメル質の裏側にまで侵入した虫歯菌がエナメル質を裏打ちしている柔らかい象牙質を崩壊させて行きます。そして、エナメル質に開いた穴の何十倍もの象牙質を溶かしながら歯髄へ迫って行くわけです。

 さて、この象牙質の裏打ちをなくしたエナメル質は、咬む力で簡単に割れてしまいます。痛い虫歯を放っておくと痛くなくなりますが、ある日、エナメル質が割れて、歯の半分くらいがなくなってしまった経験のある方もいるかも知れません。この状態が前歯だと、歯茎から出ている歯の部分が支えられなくなって、折れてしまう事になります。

 ここまで放置される方も最近は珍しいですが、前歯の虫歯が大きくなると、歯髄を抜いて、この部分にコアと呼ばれる芯のようなものを立てて、これにエナメル質にあたる部分を被せる治療が一般的です。

 同じような方法で、虫歯ではない歯の歯髄を取って、芯のようなコアを入れて、その上にエナメル質にあたる部分を被せて、飛び出している上の前歯2本の右隣の歯を引っ込めるのが、現在、ままさんが近所の歯医者さんに提案されている方法です。

 この方法の利点はこの部分の治療だけで済むことと、数ヶ月の短期間で治療が終わることです。


 欠点は、歯の根の位置には変わりはないので、歯の土台にあたる根の部分と建物にあたる被せる歯の部分にズレが生じてしまうことです。さらに、きちんと並ぶスペースがないために飛び出ているワケですから、被せても小さな歯しか入れられません。

 このため、その隣の一番前の前歯か、後ろの犬歯をまき添えにして、同じように歯髄を抜いて、コアを立てて、被せるワケです。ここで、小さな歯を大きくするために、隣の歯も削るワケですが、ここは譲って、この2本は上手にできたとしましょう。しかし、右の今回入れたセラミックの歯と左の同じ部分の歯を比べるとどうでしょう。左右の歯の大きさは微妙に非対称になってしまいます。これが、この削って被せる歯並びの治療の限界です。

 さて、ここからが我々、矯正歯科医のやり方です。狭い意味での矯正歯科は、歯を削ったりせずに、歯の移動を行って歯並びを治します。

 ままさんの場合は、歯の並ぶスペースが不足して、右上の2本目の前歯が飛び出しているので、この歯を元の位置に戻すためには、戻るだけのスペースを作る必要があります。

 スペースを作るための方法は、上の前歯を全体的に前へ出すか、上の歯並びの横幅を広げるか、または奥歯を後ろへ後退するかのいずれか、または全部の方法を選択する必要があります。

 上の前歯を出してしまっては「出っ歯」になってしまうし、上の歯列弓の横幅を広げてしまうと、現在しっかり咬んでいる咬み合わせが咬めなくなってしまうし、上の奥歯はこれ以上後退出来ない場合は、やはり、歯の大きさを小さくする以外にありません。

 歯を小さくするには、1本1本の歯の大きさを少しづつ小さくするか、歯の本数を減らす方法があります。

 歯の大きさを小さくする場合は、歯の両サイドを0.2mmから0.3mmほど削り、大部分のエナメル質を残すようにします。この方法は歯のストリッピングを行うと言います。この方法で、前歯6本を片方0..3mmづつ12箇所を削っても、3.6mmのスペースしか取れません。

 これ以上のスペース不足がある場合や現在の上の前歯の位置をもっと後退した方が良い場合には、歯の本数を減らす必要があります。

 このように、歯の移動を行う矯正歯科治療は、歯全体としての咬み合わせや前歯の位置、不足しているスペースの量を計測して、現在の症状にもっとも適した治療の方法を選択する必要があります。

 ぜひ、ご近所の矯正歯科専門医の先生にもご相談下さい。日本矯正歯科学会の認定医の資格をお持ちである事が最低限の条件です。できれば、専門医の資格があった方が良いと思います。また、日本臨床矯正歯科医会のメンバーであれば安心でしょう。これから相談される先生の名簿は「日本矯正歯科学会」ならびに「日本臨床矯正歯科医会」のホームページに掲載されていますので参考にして下さい。
 また、何か心配な事がありましたら、書き込みお待ちしております。


 カテゴリ: 【本人からの質問】 治療開始前の質問 永久歯に生え替わってから
歯並びで悩んでいます
2013年1月9日(水)17:27:50相談者:雪国のふくろう(男性)21歳 新潟県
はじめまして。雪国のふくろうです。
私は歯並びの悪さに悩んでいます。上前歯2本がハの字で、4ミリ程度の隙間があります(根元は隙間なし)。また中心に向かってねじれています。特に左上1番の左上2番側が左上2番に少し重なっています。また左上7番も外側に20度捻転しています。上顎のその他の歯は綺麗に並んでいます。下前歯は右下1番が前に出ていて両隣の歯と少し重なっています(密着状態)。右下3番が少し八重歯に見え右下3番〜左下1番が凹凸した乱杭歯です。また下顎は下前歯6本以外内向きに生えています。
歯並びが悪い部分は歯磨きに少し苦労します。
将来矯正を考えていますが、可能であればマウスピースでの矯正を考えています。ワイヤーだと歯磨きや生活に支障が出る可能性があり、セラミック矯正だと健康な歯を削るので希望していません。書き込みの内容からお勧めの治療法を知りたいと思います。お忙しい中大変だと思いますがよろしくお願いします。

回答 Re:歯並びで悩んでいます
2013年3月1日(金)20:16:20回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 雪国のふくろうさん、ご質問ありがとうございます。回答が遅れてゴメンなさい。
 さて、とても良くお口の中を観察されているようで、歯医者としては嬉しいです。
 文章を拝見したところ、歯並びがあまり良くないようです。しかし、上下の歯の咬み合わせの状態と顔全体に対する前歯の位置の記述が抜けているようです。

 将来、マウスピースでの矯正治療を考えているようです。その理由は歯ミガキがしやすいからと言うことのようですが、矯正装置の選択は歯ブラシのしやすさだけでは決められるものではありません。

 また、セラミック矯正とお書きになっているのは、歯を削って、被せる方法の事を言っているものと思います。
 広い意味では、捻れたり、斜めになった歯を削って、見栄えの良い冠を被せることを矯正と言っている場合もありますが、我々矯正歯科医の間では、歯の移動を行う事を矯正歯科治療と言います。この歯を削って被せる治療は虫歯の場合は仕方ないとしても、あまりお勧めできません。歯の移動を行って、ご自分の歯をきちんと本来あるべき位置へ戻すことの方が身体に優しい治療と言えるのではないでしょうか?

 さて、話しはマウスピースでの矯正治療に戻りますが、この装置ではどんな症状でも治療に使用できるワケではありません。

 現在、このようなマウスピース状の装置を使用して歯の移動を行う方法には大きく分けて2つあります。
 1つはアメリカ製で一回の型とりで全部の歯を移動するマウスピースを数十枚作製するインビザライン。
 2つ目は韓国の先生が考案して日本の大きな技工所が作製しているアソアライナーという装置です。

 私はアソアライナーの方を使っています。アソアライナーの方はインビザラインとは違って、治療の進行に合わせて、毎回、技工所でマウスピース状の装置を作製するもので、1回の歯の移動には同じ模型から薄いマウスピースと硬いマウスピース、注文すればその中間の厚さのマウスピースの3枚で1セットの治療を行うことができます。

 インビザラインの方は1ステップの歯の移動に硬いマウスピースが1枚しかありませんので、これを歯に装着した時にかなり痛い場合があります。さらに、どこかのステップで期待した歯の移動ができていない場合には、その次のステップのマウスピースが非常に痛く、うまく装着できない事もあり、多くの矯正歯科医が自分の医院のスタッフで試してみて「痛くて使えない」と言うのがホンネです。

 一方、アソアライナーの方は、1ステップで3枚の硬さのマウスピースが用意されていますし、1ステップづつ、専門の歯科技工士さんと我々矯正歯科医とで歯の移動量と移動方向を決定しますので、ひどい痛みがあったり、うまく装置を入れられないなどのトラブルはほとんどありません。さらに、仮にどこかのステップで患者さんが装置を使用しなくなってしまい症状が悪化したり、予期せぬアクシデントで今回のステップの歯の移動がうまく行かない場合でも、次回の装置は少し戻って治療を再開できることも患者さんにとっては大きなメリットです。

 従って、マウスピース状の装置での治療を希望しているのであれば、アソアライナーでの治療をお勧めします。

 さて、話しはさらに戻りますが、この素晴らしいマウスピースでの治療ができない場合もあります。
 1つは咬み合わせが浅く、この装置を使用すると前歯が咬み合わない「開咬」になってしまう場合です。
 2つ目は、歯並びのデコボコがひどすぎて、歯を抜いたりしないで並べると上下の前歯が出過ぎになってしまい、口が閉じずらくなったり、カッパさんの顔になってしまう場合です。

 このように、前歯が出過ぎになる場合には、マウスピースでの治療ではなく、通常のブラケットという小さな部品を歯に装着してワイヤーで治療する装置を使用して、歯の本数を減らして治療しなくてはなりません。

 上下の歯の咬み合わせの状態や歯を抜いたりしないで良好な口元が維持できるかどうかは、我々矯正歯科医が精密検査を行って、数字を提示してご説明しなくて解らない事と思います。ぜひ一度、矯正歯科の専門医へご相談下さい。

 非常に長くなってしまいゴメンなさい。
 とても書きがいのあるご質問ありがとうございます。
 また、解らない事がありましたら書き込みお待ちしております。

Re:歯並びで悩んでいます
2013年3月27日(水)14:20:49返信者:雪国のふくろう
素敵な回答をありがとうございます。
抜けているとご指摘下さった2点についてですが、上下の歯のかみ合わせの状態は問題はありません。しかし、前歯の歯並びが悪いため前歯よりも奥の歯で噛み切ることが多いです。あと顔全体に対する前歯の位置は問題ないです。
最後になりましたが今後とも宜しくお願いします。

Re:歯並びで悩んでいます
2013年5月3日(金)16:14:29返信者:雪国のふくろう
また相談したいのでお願いします。私が知っている治療法でティーシーズやシンデレラスマイルというのがあるのですが、それで直すことはできるのか教えてください。歯の矯正についての回答を頂きましたが、希望通りにいくとは限らないことが分かりました。それで他に治療法があるのではないかと思い、今回2つの方法を挙げました。ただ、治療可能か見通しがつかないので今回相談させていただきました。宜しくお願いします。

Re:歯並びで悩んでいます
2013年5月29日(水)17:44:15返信者:匿名
 雪国のふくろうさん、こんにちは。続けてのご質問ありがとうございます。
 雪国のふくろうさんの治したい熱意は解るのですが、歯並びを治す目的を忘れてしまっている気がします。

 雪国のふくろうさんのような歯並びだと、ご自分ではどんなに努力しても、隣の歯との隙間や歯グキの近くに磨き残しが生じます。たとえ、歯科医院に行ってクリーニングしてもたっらとしても、機械の入る隙間がないために、完全には取り切れません。

 この状態が長く続くと細菌と細菌の排泄物の塊である歯垢が歯にこびりつき、やがて歯石になり、ますます歯周病菌の巣が増えて行きます。そして、まずは歯茎と歯の接触が破壊され、炎症は歯の根に向かって進行して行きます。途中でこの歯石を歯医者でとってもらったとしても、清掃できないという原因はそのまま残りますので、悪循環によって歯の回りの歯周組織は徐々にですが、どんどん破壊されて行きます。

 このように、歯並びの悪い部分は歯を支える歯根膜や歯槽骨といった歯周組織が破壊されて、最終的には歯が抜けてしまうワケです。80歳でご自分の歯が20本以上残っている方の検診結果からも、歯並びが悪い方は一人もいませんでした。

 成人の方が歯並びを治す目的は、この歯周組織の破壊を止めて、ご自分の歯の寿命をできるだけ延ばすことです。雪国のふくろうさんだけではなく、矯正治療をお考えの方は、この点をぜひ忘れないでいただきたいと思います。

 従って、ご自身で歯磨きができる歯並びにならなければ、治療の意味はありません。
 この意味で、雪国のふうろうさんのあげられた「ティーシーズ」や「シンデレラスマイル」は治療器具には当たりません。

 両者とも歯に被せものをして、見た目だけ綺麗な歯並びになったように見せる一種の装飾品です。頭髪の「かつら」や指の爪につける「ツケ爪」のようなものとお考えください。「ティーシーズ」や「シンデレラスマイル」をつけても、ご自分の歯はそのままですので、何も変わりはないばかりでなく、これらの装飾を歯に被せることで、さらに自然の浄化作用を阻害して、歯垢が溜まりやすくなる可能性が高くなります。

 他人から見た見栄えを良くしたいのであれば、これらの「ツケ歯」は良いのかも知れませんが、装着している時間が長くなるほど歯には害があると言っても良いでしょう。

 はっきり申し上げると、雪国のふくろうさんの場合は矯正歯科専門医でしっかり検査して診断を行って、ブラケットを装着してワイヤーを入れる方法がベストの選択肢です。せっかくインターネットで色々調べたのにゴメンなさい。巧みなネット上の情報に騙されないように気をつけて下さい。 せっかく高額な治療費を払うのですから、治療の目的を見誤らないように頑張って下さい。


 カテゴリ: 【本人からの質問】 治療開始前の質問
ご相談。
2012年4月2日(月)18:36:09相談者:勇翔敬きゅん(女性)15歳 宮城県
はじめまして。今年から高校生になる15歳です。
早速ですが、ご相談です。
わたしは受け口です(/_;)しかもちょっとしゃくれ気味です。
人前でマスクはずしたくないし、笑いたくないです。
そこで矯正を考えました。
矯正したらどのくらいよくなりますか?
矯正にはいくら位かかりますか?
矯正にかかる期間はどれくらいですか?
教えてください(´;ω;`)
親に相談したらお金ない!!と
言われてしまいました‥

回答 Re:15歳で受け口の治療について
2012年4月6日(金)16:26:28回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 勇翔敬きゅんさん、こんにちは!ご質問ありがとうございます。
 15歳で受け口、ちょっとしゃくれ気味という事は、もしかすると顎自体の位置異常による骨格性の下顎前突症例かも知れません。

 これは、上あごが引っ込んでしまったり、下あごの大きくなり過ぎによる不正咬合で遺伝的な要素も関連している場合があります。もし、この骨格性の下顎前突症例の場合は、外科的な手術を行って上下のあご自体の位置を修正する必要があります。

 ぜひ一度、ご近所の矯正歯科専門の矯正歯科医の先生にご相談下さい。宮城には良い先生がたくさんいますよ!
 矯正歯科専門と言っても、歯医者さんの看板にはみな小児・一般・矯正・口腔外科と書いてありますので、日本矯正歯科学会のホームページから矯正歯科専門医の資格を持っている先生を探してみて下さい。さらに、日本臨床矯正歯科医会のメンバーであれば、なお良いでしょう。

 最後に、勇翔敬きゅんさんは良いニュースです。もし、外科手術が必要な骨格性の下顎前突症例の場合は、手術前の矯正治療にも外科手術にも健康保険が適用されます。
 しかし、どこの矯正歯科でも保健での治療ができるワケではありませんので、良く調べてから行って下さい。

 初めての患者さんの場合は、どこの矯正歯科でも「矯正相談」というガイダンスのような事を行っています。いきなり何万円も請求される事はありまえんので、ご心配なく。ぜひうまくご両親を説得して下さい。
 もし、どうしてもご両親が同意してくれなくても、勇翔敬きゅんさんが大人になってからでも外科的な矯正治療であれば治療できます。治療したいという気持ちさえあれば、必ずいつか願いはかないますので、ガンバッテ下さいね。

 また、解らない事がありましたら、書き込みお待ちしております。


 カテゴリ: 【お母さんからの質問】 治療開始前の質問 永久歯に生え替わってから
抜歯せずに矯正はできませんか?
2012年3月12日(月)12:30:10相談者:おざ母(女性)42歳 香川県
15歳の娘について相談です。
開咬にて近院を受診しました。
下顎に乳歯(右のD)が1本残っていてレントゲンでその下に存在するはずの永久歯がありません。
開咬もあるので、上顎の永久歯2本抜歯し、下顎も残っている乳歯とそれと対になる反対側の永久歯を1本抜歯するといわれました。
中切歯も上下で中心がすこしずれています。
また、レントゲンで下顎の第3大臼歯の陰影がありました。
乳歯は歯根が吸収されてきていていて、いずれは抜歯しなければならなくなりそうですので下顎の抜歯はしかたないかもしれません。下顎だけ抜歯すると、上額の歯が落ちてくるのは必然なので、上顎側も2本抜歯するというのは理論的にはりかいできるのですが、第3大臼歯の存在があるので、なんとか上顎の永久歯を抜歯せずにすむ方法はありませんか?

回答 Re:15歳で開咬の治療を抜歯せずに矯正はできませんか?
2012年4月6日(金)11:50:45回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 おざ母さん、はじめまして。
 できる限り、抜歯は避けたいというお母さんのお気持ちは良く解ります。
 しかし、開咬症例で15歳からの治療開始というのは、条件は非常に厳しいとお考え下さい。

 まずは、何を治すために矯正歯科治療を行うのでしょうか?
 開咬の原因は何だったのでしょうか?
 さらに、その原因を除去するために、どのような治療が必要なのでしょうか??

 例えば、
 ■下あご自体が後方へ回転して奥歯しか接触しない状態になっている
 ■舌で前歯を押す癖や口呼吸、爪咬みなどがあり、いつも口を開いている
 ■上下の前歯が著しく外側へ傾斜している
 ■奥歯自体も前方へ傾斜している

 矯正歯科治療では、現在の症状が起こった原因を調べて、治療の方法を選択する際の基本になるのが「診断」と言います。現在の不正咬合の成り立ちをしっかり把握した上で、どのような装置を使用して、どの歯をどの方向へ移動するかを考えるのが、治療方針の決定です。

 歯を抜歯するかどうかの判定は、この診断と治療方針に従って行われるべきもので、お母さんの抜きたくないと言うお気持ちは解りますが、治療全体のプラン自体を変更するワケにはいかないと思います。
 
 矯正歯科治療で抜歯するには、理由があります。この理由は、現在の症状を改善するために診断から導かれて必要と判断されたと言うことです。診断自体が間違っているのであれば、抜歯する必要はないかも知れませんが、いかに歯を守りたいお母さんのお気持ちでも、診断までは曲げられないと思います。

 おざ母さんのお嬢さんの治療は、矯正歯科治療の中で一番難しい部類に入る治療です。ぜひ、担当ドクターと良く相談して、抜歯がなぜ必要なのかお聞き下さい。

 もし、セカンドオピニオンをお聞きになりたければ、矯正歯科専門医または日本臨床矯正歯科医会のメンバーに相談してみて下さい。
 私などの書き込みより、ぜひ良い担当医探して、その先生を信じてガンバッテ下さい。


 カテゴリ: 【本人からの質問】 治療開始前の質問 永久歯に生え替わってから
過蓋咬合と生中中ずれ
2012年3月12日(月)12:18:39相談者:オレンジ(女性)29歳 神奈川県
奥歯が低いせいなのか、過蓋咬合です。(前歯は普通の長さです)

あと、奥歯をしっかり噛み合わせると、5〜6mm位 生中がずれています。

この場合、矯正は難しいでしょうか?
あと、このような場合は全体的に矯正しなければならないのでしょうか?

お忙しいと思いますが回答お願いします

回答 Re:過蓋咬合と生中中ずれ
2012年4月6日(金)11:25:18回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 オレンジさん、こんにちは!
 ご質問に「生中」とありますが、上下の前歯の中心が左右どちらかに5〜6mmずれているのが気になるのですよね?
 この上下の前歯でできる中心線のことを「正中」と言います。
 また、過蓋咬合と言うのは、上の前歯が下の前歯をかぶせるように咬み合っているのが正常ですが、このかぶさり方が大きく、下の前歯が見えないくらい深く咬んでいるのを、過剰に前歯がかぶさっていると言う意味で「過蓋咬合」と言います。

 オレンジさんのおっしゃるように、過蓋咬合でさらに正中の偏位が下の前歯1本以上あれば、立派な不正咬合で治療の対象になります。

 オレンジさんのような症状の方の中には、顎関節の負担が大きくなる事が多く、顎関節症を発症していたり、左右の非対称によって、様々な不快な症状が出ることがあります。さらに、歯茎の病気や歯周病を生じた場合には、現在の咬み合わせが歯周病の増悪因子になる事も知られています。
 従って、一生ご自分の歯で咬んで食べる喜びを味わうためには、この時期からでも遅くありませんので、矯正歯科治療が必要と思います。

 治療は簡単ではありませんが、ぜひ矯正歯科専門医または日本臨床矯正歯科医会のメンバーに相談してみて下さい。
 私のようなお口の中を拝見していない者よりも、具体的で現実的なお話しが聞けると思います。

 担当ドクターと相談して、また解らない事がありましたら、書き込みお待ちしております。ご質問ありがとうございました。


 カテゴリ: 【本人からの質問】 治療開始前の質問
部分矯正か全体を矯正するか
2011年12月8日(木)16:43:19相談者:りりこ(女性)40歳 東京都
左下7番抜歯後の治療方針について相談させてください。

神経を取った左下7番の歯の根が割れて抜歯予定です。
左下8番目(親知らず)を7番に持ってくる矯正をしようと考えており、方法を2つ提案されています。(先生は、矯正歯科で認定医です。)

@部分矯正で親知らずを7番に持ってくる。
 部分矯正といっても下の歯全部に装置を付ける。

A4本抜歯をして上下全体を矯正する。
 抜歯は、左7番上下と右6番上下。
 右の6番上下は既に神経を取った歯であること。歯の大きさや治療済の歯であることを考慮して左上は7番とのこと。ただし、移動させる距離が大きいので、完全に隙間が閉じない可能性ありとのこと。(親知らずは4本普通にはえています)

この年齢なので審美性はあまり気にしておらず、口の中の環境を良くするという目的には、どちらの案が良いと思われますでしょうか?
またAの案の場合、隙間が閉じない可能性以外に何かデメリットがありますでしょうか?

ご意見いただけますと幸いです。



回答 Re:部分矯正か全体を矯正するか
2012年1月26日(木)10:35:35回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 りりこさん、回答が大変遅くなってごめんなさい。
 さて、少し視点を変えて考えてみてはいかがでしょうか?

 りりこさんは。全体の矯正治療でどこを治したいのでしょうか?
 または、全体歯並びや咬み合わせを放置することで、将来どのような悪いことが起こるのでしょうか?
 さらに、下の歯全部につけて、右下8番を7番の位置に持って来ることで、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?

 りりこさんの書いている選択枝はいずれも方法論ばかりで、治療の目標ではありません。
 まず、何を目標にするのか? 
 そのために、どのような方法があるのか?
 その目標がクリアされると、りりこさんにどのような良い事があるのか?
 さらに、その目標がクリアされたとしても、どのよう副作用やデメリットがあるのか??

 これらを順にリストアップして、それにかかる時間や費用、そしてご自分が何を治したいのかという目標をはっきりさせましょう。

 私はりりこさんのお口の中を拝見していないので、一般論しかここではお話しできませんが、ご自分で現在状態を把握するためのチェックポイントは
1.上下の咬みあわせがどの程度ズレているのか?
2.咬み合わせの深さはどうか?
3.上下の前歯の出過ぎはないか?
4.歯並びはどうか?
5.左右のズレはないか?
6.あごの関節や咬む筋肉が疲れていないか?
7.それぞれの歯のコンディションはどうか?
8.口が閉じずらいとか、魔法使いのような口元でないか?
  など、についてチェックして下さい。
 この中で、問題ありが多ければ、やはり全体の治療が必要と思います。
 しかし。チェックが少なければ、部分的に問題のある部分のみの治療で良いのではないでしょうか?

 ただし、右下の8番を7番の位置へ移動すると簡単に言いますが、この時、作用反作用の法則で右下の6番は7番の方向へ移動しようとします。また、奥歯を前方へ移動すると、咬み合わせは深くなる傾向があります。さらに、上下の正中線(中心線)も、下の前歯の中心が右へ移動することになります。

 現在の歯並びに大きな問題のない場合は、これらの不必要な歯の移動をできるだけ最小限に抑えるために、下の歯は全体に装置を装着する必要があります。できれば、上の歯にも装置をつけて、上下の歯の間にゴムを装着して、これらの好ましくない歯の移動を防止する必要が出て来るかも知れません。

 奥歯1本分の移動は、その他の歯を移動をまったくさせないで達成する事は不可能です。
 つまり、これだけ大きな歯の移動を行うのですから、副作用も患者さんにとってメリットとして生かせるような部分があれば、迷わず実行して良いでしょう。

 例えば、現在の咬み合わせが浅いため、深くしたい場合や下の中心線がすでに左へずれている場合。また、歯並びが悪く歯槽膿漏や虫歯の危険が大きいかすでにそうなってしまっている場合。また、口元が出過ぎで抜歯して前歯を後退する必要が大きい場合などです。

 少しは参考になったでしょうか?
 上記の点について、担当医を良くご相談されて、また解らない事がありましたら、書き込みお待ちしております。

Re:部分矯正か全体を矯正するか
2012年2月6日(月)14:23:08返信者:匿名
ご回答ありがとうございます。
結果として、Aの全体の矯正で進めています。

今回の抜歯が無ければ、気になるほどの歯並びやかみ合わせの悪さはありませんでした。
しかし、若干前歯がデコボコしてきたと感じていた事もあり、奥歯だけだとしても全体に矯正装置をつけるのなら、前歯のデコボコも治して歯磨きのしやすい歯の状態にしようと考えました。
ご指摘の通り、部分矯正の場合、他の歯に影響があるとのことで、現在困っていない歯並びを悪くするのも意味が無いとも思いましたので、矯正するなら全体の矯正だな、と。

矯正で虫歯を作ったら元も子もないので、これから数年間歯磨きを頑張ります。

ご相談にのっていただきありがとうございました。


 カテゴリ: 【お母さんからの質問】 治療開始前の質問 乳歯と永久歯
糸切り歯が出ない場合、矯正は必要?
2011年9月30日(金)15:16:27相談者:ねね(女性)35歳 宮城県
9歳の娘のことで教えて下さい。
乳歯が抜けた後、長らく左の永久歯3番が生えてきません。
レントゲンで見たところ、歯茎の中にはあるそうです。
しかし、隣の永久歯2番と、乳歯Dの間に生えてくる隙間がなくて出てこないようです。
正直なところ、隙間が全くないので、見た目の歯並びはきれいに見えてます。乳歯Dが抜けた後、永久歯4番がきれいに出れば、3番が出てこなくても、見た目は何も気にならないのではないかと思うのです。
それでもやはり矯正をして隙間を開け、3番を出したほうがよいのでしょうか?
先日矯正歯科に相談に行きました。とてもいい先生だったので、矯正するとしたらお願いしたいとは思うのですが、隙間を開けて3番を出した方がよいのか、現状どおり埋もれたまま出さなくてもよいものなのか、はっきりおっしゃらず、よくわかりませんでした。
隙間を開けても出てこなかったら、今のままの方がきれいなのではないかと思ってしまいます。
ご意見下さいますよう、お願い申し上げます。

回答 Re:スペースがなく糸切り歯が出て来ない場合、矯正は必要?
2011年10月21日(金)20:52:19回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 ねねさん、こんにちは!現在の状態だけから判断すると、「まあこのままでも良いかな?」と思うのお気持ちは、良く解ります。

 しかし、ねねさんのお嬢さんのように、多分、年齢から考えると下の犬歯と思いますが、出て来なかった患者さんは、今まで私は診た事がありません。つまり、隙間を開けないでおくと、生えて来ないのではなく、下の犬歯のひどい八重歯となって出て来るハズです。

 きっと下の犬歯が外側に思い切り飛び出て生えて来たのを見ると、あきらめもつくのかも知れませんね。まだ、9歳ということですから、全体の歯を並べる仕上げの治療の際に、抜歯する治療方法になるのを覚悟されるのであれば、永久歯が生え揃って、お母さんもご本人の納得するまえ待つしかないかも知れません。

 しかし、この犬歯のスーペスを何とか前歯をあまり前へ出さないで確保するのであれば、9歳のこの時期が最適と思います。

 「隙間を開けて3番を出した方がよいのか、現状どおり埋もれたまま出さなくてもよいものなのか、はっきりおっしゃらず、よくわかりませんでした。」と言うのは、埋もれたままになると言う選択枝を担当医はお持ちでなかったのだと思います。

 いずれにしても、良い担当医に巡り会ったようですので、良く担当の先生と相談されて、ねねさんもお嬢さんも納得がいく治療を受けられるのが何よりと思います。

 また、お話しの中で解らないことがありましたら、書き込みお待ちしております。

Re:糸切り歯が出ない場合、矯正は必要?
2011年10月30日(日)10:54:33返信者:ねね
ご回答ありがとうございます。

長い間どうしよう、と悩んでいたのですが、おかげさまで決心がつき、先日矯正を始めに歯科医に連れて行きました。

お忙しい中、このような相談の場を設けてくださり、大変ありがたく思います。


 カテゴリ: 【本人からの質問】 治療開始前の質問 矯正治療中の質問
矯正歯科で歯を高くすることは出来ますか?
2011年9月5日(月)10:54:56相談者:SASA(男性)26歳 神奈川県
現在、矯正歯科に行き3年になります。

その理由は、顎関節症を治すために、治療をしています。でも良くならず、今週、顎関節症を専門に扱ってる歯医者に行きました。そこで歯に被せ物をして高くする治療を勧められました。

まだ、治療費を聞いていないですが、高額になりそうです。矯正歯科にはもうお金を払っているので、お金を取られずにはすみそうです。

矯正歯科で歯を高くすることは可能ですか?
右を全体的に高くしたいです。


回答 Re:矯正歯科で歯を高くすることは出来ますか?
2011年9月14日(水)13:37:31回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 SASAさん、こんにちは。顎関節の治療方法でお困りですね。
 まず、問題点を整理してみましょう。

 矯正歯科では何をやったのでしょう?
 矯正歯科医は歯を移動することができるだけで、顎関節そのものを治すワケではありません。
 顎関節症の原因となっていると思われる「歯の位置」や「咬み合わせ」を修正するための歯の移動を行います。

 矯正歯科の先生とは、現在の状態について相談したのでしょうか?
 もし、片方の臼歯の高さを高くすれば、顎関節が楽になるのであれば、矯正の治療計画のにも当然入れるべきと思います。
 奥歯の高さを変えて良くなるかどうか、いきなり低い奥歯を削って被せるよりも、スプリントと呼ばれる「咬む板」のような装置を使用して、試してから歯に被せものをするのが普通の手順と思います。

 このように、顎関節症は矯正歯科医だけとか、歯に被せる先生だけで、全て解決できるワケではない場合が多いので、まずは長い期間お世話になっている矯正歯科医に現在のSASAさんのお考えを相談してみてはいかがでしょうか?

 我々矯正歯科医は、どしても天然歯だけで、被せるなどの処置をしないで治したいという習性があります。SASAさんの、被せても良いというお気持ちがあるのは、矯正歯科医にとって「ありがたい」ことかも知れません。

 悩んでいるのは、患者さんだけではありません。担当医と一緒に色々考えてみて下さい。
 私はSASAさんの口の中を拝見できないですし、顎関節の症状や状態が解らないので、ここで具体的な治療方法については言及できませんのでお許し下さい。

 また、解らない事がありましたら、書き込みお待ちしております。


 カテゴリ: 【お母さんからの質問】 治療開始前の質問 乳歯と永久歯
7歳娘の矯正の必要性について
2011年7月11日(月)13:11:08相談者:小2娘の父(男性)43歳 神奈川県
前歯2本はきれいに生え代わったのですが、その両隣の歯が、歯と歯の間にきれいに納まっていません。

生え代わる時、乳歯の後ろ側に、斜めに生えてきて焦ったのですが、今は歯の生える方向はまっすぐ上を向いていて、だいぶまともになってきました。
ただ、両方とも左右対称に20度くらい捻じれているような感じです。

矯正歯科で相談したところ、レントゲンを撮られ、捻じれて生えた2本を含め、まだ生えてきていない永久歯が生えてくるスペースも足りないので矯正が必要だと言われました。
私は自然な成長で顎が大きくなって、歯がうまく納まるのではないのかと思い聞いたのですが、それはまずない、と言われてしまいました。
本当にそれはないのでしょうか。

あと矯正をするにしても、顎の成長を見て慌てないで決めたいと思うのですが、すぐ矯正を始めないといけないのか、何年か経過観察をしてもいいものなのでしょうか。

診てもらった矯正歯科からは経過観察という話はなかったので、ちょっと疑問になり、いろいろ調べたのですがわからずこちらのサイトを見つけ相談させて頂きました。
宜しくお願いいたします。

回答 Re:7歳娘の矯正の必要性について
2011年7月27日(水)14:43:24回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科

 小2娘の父さん、こんにちは!治療開始時期と抑制矯正治療の意義についてもご質問ありがとうございます。
 
「自然な成長で顎が大きくなって、歯がうまく納まるのではないのか」と言う期待はごもっともですが、残念ながら今後のあごの成長は、前歯の部分での大きさの成長はほとんど期待できません。
 あごの成長はこれから生えてくる奥歯の部分が後方へ幅を広げながら大きくなって行きます。これは、まだ生えていない第二大臼歯のスペースを確保するような成長が起こります。

 従って、担当の先生がおっしゃっているように「自然な成長で顎が大きくなって、歯がうまく納まる」ことは、ほとんどないと言って良いでしょう。

 ここで注意しなくてはならないのは、小学校2年生のこの時期に行う「抑制矯正治療」は、歯並びだけを考慮したものではありません。この時期に必要なチェックポイントは

1.上下のあご自体の前後的あるいは左右への位置に問題がないかどうか?
2.新しく生えて来た永久歯の歯並びによって、あごをズラして咬むことによってあごがズレていないか?
3.指しゃぶりや爪咬み、口呼吸や舌の悪い癖によって、あごの成長や前歯の位置に悪い影響が出ていないか?

 以上3点がこれから必要な抑制矯正治療のターゲットとなります。
 これらは、今後のあごの成長によって、あご自体の位置がさらに悪化するのを防ぐのが目的です。
 歯並びは、あご自体の問題がなければ、全部の永久歯が生え揃ってからでも可能です。

 ただし、歯の生えるスペースは足りない場合に、奥歯を後方へ移動することができれば、歯を抜いたりしないで治療できる可能性が高くなりますので、抑制矯正治療を行うことで、非抜歯での治療の可能性が高くなることも確かです。

 以上、この時期の「抑制矯正治療」の意義を少しご理解いただけたでしょうか?これらの治療は身長が大きくののび、あごの成長も大きくなる小学校5,6年生になる前に完了しておく必要があります。つまり、小学校2、3年生から開始する必要があります。
 我々矯正専門医はこれらの要点をおさえて、この時期にどのような治療が必要か考えます。
 このあごの位置のコントロールがある程度できる可能性のある時期に、「何年か経過観察」をしていたのでは、大切な治療のチャンスを逃してしまうかも知れません。
 
 ぜひ、上記を再考の上、認定医以上の資格を持っている矯正歯科医にもう一度ご相談下さい。
 また、解らない事があれば、書き込みお待ちしております。


 カテゴリ: 【お母さんからの質問】 治療開始前の質問
歯列矯正と扁桃腺切除について
2011年3月30日(水)10:15:11相談者:ろくすけ(男性)41歳 大阪府
この4月から小学3年生になる子どものことで相談です。
上の前歯2本(永久歯)がハの字のように開いており、定期検診で通っている歯科医院から矯正を勧められました。
親としても矯正が必要かなと考えていましたが、別のドクターの意見も聞きたいと思い、紹介状をいただいて受診しました。(歯列矯正専門の病院)ドクターの見解は、「扁桃腺が大きく、このまま矯正治療を受けてもあまり効果がでないかもしれない。」とのことでした。
「舌を正しい位置にするためのトレーニングも必要だが、扁桃腺が大きいために舌が収まるところに収まらず、歯を常時押し出しているような状態なので、扁桃腺を切除した方がよい。」ともおっしゃいました。
子どもは「受け口」もありますので、状態として重症かなと思っていましたが、歯列矯正でこのようなケースはあるのでしょうか。やはり扁桃腺を切除しないと矯正は難しい(効果が出にくい)ものでしょうか。
ちなみに耳鼻咽喉科では「大きい」と言うドクターと「気にしなくてもよい」というドクターといて、親としてもどう判断してよいのか迷っています。
ご回答のほど、よろしくお願いします。

回答 Re:歯列矯正と扁桃腺切除について
2011年4月13日(水)13:11:02回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 ろくすけさん、歯列矯正と扁桃線の関連についてのご質問ありがとうございます。
 大きな扁桃腺が不正咬合の原因となっていると考えられる症例は確かにありますね。

 歯の位置はどのような要素で決定されるかと言うことから話しを始めなければなりません。

 あご自体の位置も歯の位置や不正咬合と密接に関連していることは誰でも解ると思います。あごの位置の異常からくる不正咬合は、「上顎前突」や「下顎前突」などの前後的異常と咬み合わせが浅く奥歯が当たっているのに前歯が咬み合わない「開咬」、下の前歯が見えないくらい咬み合わせが深い「過蓋咬合」などの上下的異常があります。

 また、歯並びはこの上下のあごの位置の異常とは別の原因で起こっている事が多いです。
 つまり、上のあごの大きさと上の歯の大きさがアンバランスな場合には、歯の生える隙間が足りなくなって歯並びが悪くなります。下のあごと下の歯の大きさの場合も同様で、歯の大きさよりあごの方が大きい場合には「すきっ歯」になります。

 これには、上下の前歯の位置も歯並びの善し悪しに関連している事があります。たとえば、前歯が出ている場合には歯が並ぶスペースが拡大されて多少歯が大きくても、歯並びが良い事があります。逆に前歯が内側傾斜していると、それほど歯が大きくなくても歯並びが悪くなる事があります。

 これらの歯とあごの位置の異常のほかに、呼吸や咬む力、舌や唇の筋肉などの機能的要素を考え合わせなければなりません。

 特に口呼吸などが長期間続くことによって、下あごは後方回転しながら後退し、上のあごの幅は狭くなって、上の前歯が飛び出る「上顎前突」となることが知られています。
 いつも口を開いていることによって、鼻から下が長く、唇が足りなくなっていつも口を開き、上の前歯が飛び出ているのを「アデノイド顔貌」という場合もあります。
 このアデノイドというのは扁桃腺の一部の名称で、扁桃腺に異常がある場合に特徴的な顔の形といことです。

 つまり、アデノイド(扁桃腺)が大きいと、口呼吸を誘発し、下あごが後方へ回転して後退し、これが上顎前突の原因になりますよ!と言うことです。
 骨格の形態が下あごの大きい反対咬合の場合でも、下あごが後方へ回転するので、前方への突出具合は少なくなりますが、舌も前方へ押し出されて、上下の前歯がともに前方へ傾斜するタイプの場合は、この舌の前方突出を止めなければ、反対咬合の治療はとても難しくなります。

 これが「舌を正しい位置にするためのトレーニングも必要だが、扁桃腺が大きいために舌が収まるところに収まらず、歯を常時押し出しているような状態なので、扁桃腺を切除した方がよい。」という理由です。

 一方、耳鼻科の先生に言わせると、
1.アデノイドを含む扁桃腺群は呼吸によって外部から入ってくるバイ菌などを防御する第一砦なので、そんなに簡単に取るべきではない。

2.さらに、小学校高学年から中学生にかけて、扁桃腺が一番大きくなる時期にあたり、大人になると半分くらいまで縮小するため、わざわざこの段階で取る必要はない。

3.扁桃腺の手術は切除する部分の性質上、どうしても出血量が多く、できれば手術したくない。

と言うのが本音のようです。
 唯一、扁桃線が大きいために頻繁に高熱を繰り返したり、全身的な問題に波及する危険が大きい場合にのみ切除しましょうと言う考えです。
 つまり、上下のあごの位置に対する影響や舌の位置にはあまり重点をおいてくれないのが現状です。耳鼻科の先生のよっては、我々矯正歯科医の意見を取り入れてくれて、お願いすれば、扁桃腺の手術をしてただける先生もいらっしゃいます。

 我々矯正歯科医からすれば、原因の除去なしに治療の成功はないワケですから、あまりにもこの扁桃線の問題が大きい患者様には、やはりこのことは申し上げなければならないので、今回のようにご両親がご判断に迷うような事が起こってしまします。

 耳鼻科の先生がおっしゃっている事に重点を置くのか、それともあごや舌の位置を改善することを重要視するのかは、患者さん次第です。

 かなり難しい選択と思いますが、担当医と良く相談されて、最終的な決定をお願いします。
 少しでも、現状の理解のお役に立てれば嬉しいです。また、わからない事がありましたら、書き込みお待ちしております。


 カテゴリ: 【本人からの質問】 治療開始前の質問
下の前歯が斜めにゆがんできました。
2011年3月1日(火)13:38:34相談者:中山(女性)35歳 大阪府
30歳代から徐々に下の前歯1本が両側から押されたかのように斜めに反転してきました。
幼少の頃から、歯医者では歯並びがきれいだといわれてきましたので、かなりショックです。
上の親知らずは2本とも抜歯していますが、下の歯は、歯茎から少しのぞいている感じでとくに支障がないため、抜歯していません。(下の方が、痛いと聞いたことがあります。)
下の親知らずを抜いていないため、歯並びが悪くなってきたのでしょうか?
年齢とともに歯茎が衰えてきただけでしょうか?
また、矯正は可能でしょうか?
費用はどれくらいかかりますか?
宜しくお願いします。

回答 Re:下の前歯が斜めになったのは親知らずのせい?
2011年4月13日(水)11:02:46回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
  中山さん、初めまして。回答が遅くなりごめんなさい。
  徐々に下の前歯1本が飛び出して来たようですね!!
  実際に拝見していないので、本当のところは解りませんが、書き込みから判断すると、やはり下の親知らずの「いたずら」のような気がします。

 「上の親知らずは2本とも抜歯していますが、下の歯は、歯茎から少しのぞいている感じでとくに支障がないため、抜歯していません。」とありますが、この”少しのぞいている感じ”というのが重要になります。

 下の親知らずは、下あごの曲がり角のあるために、どうしても生える隙間を確保できずに、下あごの骨の中に埋まってしまったり、さらに前方へ向かって傾斜している場合が多いです。
 この場合には、親知らずの一部分のみが歯茎の上に露出して「歯茎から少しのぞいている感じ」になる事が少なくありません。

 この状態が良くない理由は2つ

1.親知らずが奥歯を前方へ押し出して、前歯の歯並びにデコボコが生じることがある。
2.一部分だけ露出している部分からばい菌が入って、本来、歯茎の上に出る部分の歯の周りに膿が貯まって、腫れたり、痛みが出たりすることが多い。

 今回はこの1つ目の歯並びの以上が現れたのかも知れませんね。2つ目の炎症も遅かれ早かれ生じる可能性がありますので、お近くの矯正歯科医へ一度ご相談下さい。
 このように親知らずは悪さを働くこともありますが、虫歯で失った奥歯の代用として使用できる場合や、最近では歯の移植や再生医療の材料としても注目を集めていますので、悪さもしないのに抜歯してしまうのは反対です。

 ぜひ、きちんと検査をして、一緒に考えてくれる先生と相談して、どうするのがベストかを考えてみて下さい。また、解らないことがありましたら、書き込みお待ちしております。


 カテゴリ: 【お母さんからの質問】 治療開始前の質問
育成医療はききますか?
2011年2月1日(火)11:05:06相談者:井之上(女性)40歳 滋賀県
小学2年の子供の事ですが、軟口蓋裂です。矯正が必要となっていますが、高額という事もあり、育成医療を申請したいのですが、ある矯正歯科院では、軟口蓋裂では、育成医療は利用できないと言われました。市役所にも問い合わせたところ、歯科医院で、口蓋裂が原因で、歯並びが悪くなったと判断されなければいけないと言われました。他の歯科医院にも聞いてみようとは思っているのですが、近くにはあまりないですし、行ってみてダメだと言われるのも、何件もそうなるといやです。
可能性はどうなのでしょうか?実際のところはどうなのでしょうか?

回答 Re:軟口蓋裂ですが健康保険や育成医療はききますか?
2011年2月15日(火)19:58:18回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 井之上様、軟口蓋裂の健康保険と育成医療の適用についてのご質問ありがとうございます。健康保険や育成医療については、私の得意医分野とは言えませんので、詳しい後輩に聞いてみましたので御報告します。

 その結果、軟口蓋裂であれば全ての患者様が保険適用になるワケではなく、軟口蓋裂が原因になって歯列異常や咬合異常が起こっている場合に、その矯正歯科治療には保険適用さましょうと言うことです。

 つまり、市役所で言われた「歯科医院師によって軟口蓋裂が原因で、歯並びが悪くなったと判断されなければいけない」と言う事は、現在の歯並びが軟口蓋裂が原因になっているかどうかという事が保険適用の可否に重要ですという事です。また、「ある矯正歯科院で、軟口蓋裂は育成医療は利用できない」と言われたということは、その先生は軟口蓋裂が不正咬合の原因ではないと判断したと言うことでしょう。

 やはり、最終的にはっきりさせるのであれば、歯科大学の付属病院の矯正歯科か口腔外科、または軟口蓋裂を手術された病院に問い合わせるのが確実ではないでしょうか?
 軟口蓋裂ではなくても、歯並びや咬み合わせに問題を生じている方がたくさんいます。その中で、特例として先天異常が原因で矯正治療が必要な方には矯正歯科治療にも健康保険を適用しましょうと言う主旨です。

 また、解らないことがありましたら、書き込みお待ちしております。


 カテゴリ: 【本人からの質問】 治療開始前の質問
奥歯の矯正について迷っています
2011年1月25日(火)18:20:58相談者:みやもとさき(女性)23歳 愛知県
半年前、「奥歯が斜めに生えていてかみあっていないためぬいた方がよい」といわれ、虫歯でもない正常な歯をぬきました。その抜いた歯が邪魔をして生えてきていなかった親知らずをはやすためです。その歯がまっすぐはえてくることを期待してのことでしたが、残念ながら生えてきた親知らずも曲がっており、奥歯のかみ合わせはわるいままです。そこで、生えてきた親知らずの矯正をすすめられました。現在、噛み合わせがわるく困っていることもなく、歯の痛みもないのですが、将来のことを考え、やはり矯正を今のうちにしておいた方がよいのでしょうか。

回答 Re:奥歯のみの矯正に迷っています
2011年2月15日(火)17:58:11回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 みやもと様。回答が遅くなってごめんなさい。
 せっかく奥歯を抜いたのに、元の状態とたいして変わらない場所に親知らずが生えてきたようで、残念なお気持ちは良くわかります。

 みやもと様のように奥歯の咬み合わせが悪い場合、顎関節に近いところでの咬み合わせの障害が、思わぬ重篤な症状を示す事があるので、放置しておけなかったのではないでしょうか?

 たまたま、斜めに生えていた奥歯の後方に、立派な親知らずがあり、この歯をスペアの歯として使用できるのではないか?その場合には、最初から矯正治療を行わずに斜めの歯を抜歯して、後方の親知らずが正常な位置に生えて来る可能性に期待しても患者さんにとって不利益は少ないと担当医はご判断されたのだと思います。

 実際に、みやもと様のような患者様は珍しいことではありません。
 我々矯正歯科医の場合は、今斜めに生えている歯と親知らずを比較して、条件が良い方を残します。つまり、奥歯のスペースが不足しているから斜めにしか生えて来れないワケで、斜めの歯と親知らずのどちらか一方は抜歯しなければ治らない状態と思います。

 さて、ではやっぱり斜めに生えてしまった親知らずを治さなければならないか?
 ということですが、最初に述べたように、奥歯の咬み合わせの異常はあごの関節や筋肉の行動系に知らず知らずのうちに障害を与え、頭痛や耳鳴り、顎関節の障害につながる危険がありますので、我々矯正歯科医の立場からは、放置しても良いとは決して言えません。

 ただ、現在、痛みや困っていることもないのであれば、お金のかかる矯正治療をしなければならないのか、疑問に思う気持ちは良くわかります。
 ぜひ、ご近所の矯正歯科医に相談してみてください。
 すでに、斜めの歯を抜歯してスペース的には余裕があるワケですから、ブラケットを装着しないで比較的簡単な装置でも治療可能かも知れません。私は拝見していないので、軽率に申し上げられないのですが、相談する価値はあると思います。

 また、解らないことがありましたら。書き込みお待ちしております。
 それとも、札幌まで一度来てみますか?(笑)


 カテゴリ: 【お母さんからの質問】 治療開始前の質問
孫の矯正に付いて
2011年1月6日(木)12:53:45相談者:田部井(男性)62歳 群馬県
現在矯正治療中ですがマウスピースが大きく口も閉じれない言葉も旨く発音できない状態よだれも常に出る状態で見た目もかなり異常の為学校(小2)でいじめの原因に成り精神的にも不安定な状態が続いています 歯並びが治る代わりに学校生活が不安です何とかして上げたいのですがもっと自然に近いマウスピースで治療は出来ないでしょうか教えてください

回答 Re:大きなマウスピースによる日常生活の支障:孫の矯正に付いて
2011年2月15日(火)16:20:33回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 田部井様。学会準備で御回答が遅くなってごめんなさい。
 マウスピースのご心配ごもっともです。
 一概にマウスピースと言っても、様々なものがあり、拝見しないと具体的なことは申し上げられませんが、「大きく口も閉じれない、言葉も旨く発音できない状態、よだれも常に出る状態で見た目もかなり異常の為学校(小2)でいじめの原因に成り」と言うのは緊急事態です。

 ぜひ、担当医にもこの事をお話しして、改善できる事は改善してもらった方が良いでしょう。現在、治療されているのは矯正歯科専門医でしょうか?
 もし、専門医でないようであれば、近くの矯正歯科専門医にもご相談下さい。
 マウスピースではない、別の装置で治療できるかも知れません。
 私の場合は、マウスピースはこの年齢ではほとんど使用しませんので。

 矯正歯科の専門医の見分け方ですが、日本矯正歯科学会のホームページに「認定医・専門医」の名簿があります。この認定医を持っている事が最低限の資格です。
 さらに、日本臨床矯正歯科医会のメンバーでもあれば、なお安心です。
 私はこの「日本臨床矯正歯科医会」の学術委員で、2月の札幌大会の実行委員長だったものですから、回答が遅くなってしまいました。ごめんなさい。

 小学校2年生のお孫さんが、笑顔で矯正治療を受けることができるように、お力をお貸し下さい。また、解らないことがあれば、この掲示板に書き込み、お待ちしております。


 カテゴリ: 【お母さんからの質問】 治療開始前の質問 永久歯に生え替わってから
先天性欠如
2010年9月28日(火)14:58:40相談者:りーたん(女性)41歳 群馬県
13歳の長男が1年前に、歯並びが悪く受診したところ、下左右5の永久歯がないことがわかりました。受診時は左Eの歯茎が腫れていて、抜歯を勧められ、抜いてしまいました。その後、現在は床を拡げる矯正を上下つけています。担当の先生は、一般の矯正と同じような治療方針で進めていくようですが、先天性欠如で、すでに左5のスペースが空いたままなのに、大丈夫なのか心配になります。また、右5の先天性欠如の場所は、まだ乳歯がありますが、そのまま歯列矯正を始めてよいのでしょうか。
最後に、現在激しい部活(野球)をしています。今後、歯列矯正の器具をつけたまま、人やボールがぶつかって、健康な歯を痛めてしまう心配はないでしょうか。最善の方法がありましたら、教えてください。色々とお聞きしてしまい申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

回答 先天性欠如の治療方法と外傷と矯正装置の関連
2010年10月7日(木)20:43:14回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 りーたんさん、先天欠如の治療方法と矯正装置と外傷の関係のご質問ありがとうございます。
 さて、先天欠如の場合の治療方法ですが、一般的には欠損している部分のスペースを閉鎖してしまう場合と閉鎖しないでブリッジやインプラントを入れる場合と、2つ考えられます。

 この違いは、不正咬合の原因と咬合状態(上顎前突か下顎前突か、咬み合わせが深いか浅いか?)、上の歯並びや下の奥歯の状態など様々な要素が関連してきます。
 従って、歯列弓の拡大と今後の治療方針については、私ではなく担当医に直接お聞きになり、解らない部分はまた書き込みお願いします。
 あまりにも範囲が大きすぎて、満足な答えができず残念です。

 さて、野球など激しい運動と矯正装置の関係ですが、ボールや人などが口に当たった場合、大きく2つに分けて考える必要があります。

 一つは、外からの外力は歯の外側についている装置に直接かかりますので、唇や頬粘膜の内側の損傷は大きくなります。しかし、口の中の粘膜は非常に再生速度が大きいので、多少損傷しても、あまり心配はありません。

 二つ目は、外力による歯の損傷です。歯の外側につけるマルチブラケット装置は、1本1本の歯にブラケットというワイヤーを装着する溝の入った金具と隣の歯同士をつなげるような1本のワイヤーで構成されています。

 この装置は隣同士の歯を連結します。とくに治療の中盤からは比較的太くて硬いワイヤーをこのブラケットに装着しますので、外からの外力はこのワイヤーを伝って、多くの歯に伝達されるため、1本1本の歯は折れずらくなります。

 実際に私が大学病院に勤務していた頃、交通事故で口腔外科に運ばれて来た患者さんで、矯正装置(マルチブラケット)を装着されていた方を拝見した事があります。この方の場合は、歯の根は折れておらず、歯槽骨全体がゆがむように骨折していました。当然、交通事故の衝撃でマルチブラケット装置のワイヤーも曲がっていましたが、このワイヤーのおかげで歯の根が折れるのは避けられたようです。

 このように、ボールなどが当たった場合には、矯正装置によって唇や頬粘膜の損傷は大きくなりますが、歯の根の損傷は抑えられる事になると思います。

 以上、矯正装置と外傷について解る範囲ですがお答えしました。また、解らないことがあれば書き込みお待ちしております。
 最後に、お母さんのご心配は良く解りますが、まず口にボールが当たる前に逃げてくださいネ(笑)。

先天性欠如の治療
2010年10月8日(金)15:02:11返信者:りーたん
とてもわかりやすく回答していただき、ありがとうございました。相談を投稿した後に、担当医に治療経過を詳しく聞いてみました。
息子は、舌が大きいのに、歯のアーチが狭いため、まず床矯正でアーチを拡げ、その後に歯列矯正で歯並びを整え、最後に左下5はブリッジを入れるとのことです。担当医は、先天性欠如の治療よりも歯並びを治すことの方が重要と考えているようです。矯正で左下5のスペースを埋めるには、上下左右のバランスを考えて、右下Eと上の歯2本を抜歯することになり、その方がマイナスだと言います。
私と息子は歯並びのことは気にしておらず、左下5のスペースの治療をして欲しいだけでした。私自身、中学生でブリッジを入れて苦労したので、息子には、将来のことまで考えた治療を受けさせたいと思っています。矯正か、ブリッジか、将来のことを考えて、どちらの方が良いとは一概には言えないのでしょうか?
また、抜歯後1年半スペースが空いたままで、上や両隣の歯が伸びたり倒れたりしてしまわないか心配です。担当医は矯正をしている間は大丈夫というのですが、仮歯などを入れた方がよいでしょうか?
長くなってしまい、申し訳ありません。もう一度、よろしくお願いします。

回答 Re:先天性欠如部分を閉鎖するかブリッジにするか?
2010年10月15日(金)14:27:40回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 りーたんさん、お返事ありがとうございます。
 少し解ってきました。

 まず、それぞれの患者さんに、ベストの選択肢と次善の策というのがあり、それぞれ一長一短があるのが普通としましょう。

 今回のりーたんさんのお子さんの先天欠如の件では、このそれぞれの方法についてのメリットとデメリットがはっきりしてないことによって、治療に対する不信感も出てきているような気がします。

 まず、「舌が大きいのに、歯のアーチが狭い」とありますが、私の常識では舌が大きければ、歯列弓も大きく拡大されており、上下の前歯も前方へ出ている場合が多いと思います。また、すでに先天欠如があるので、拡大することによってスペースがさらに広がるわけですから、りーたんさんのご心配もごもっともです。

 ここで、要チェックなのは、前歯の出具合と歯並びの重なりが何ミリあるかです。
 もし、前歯が出ている(上顎前突または両顎前突)の場合は、先天欠如のスペースを使って前歯を後退する必要があります。
 また、歯並びが悪く、これを真っ直ぐに並べるためにも、先天欠如のスペースを使う必要があります。

 この事を考えると、担当医の先生が「床矯正でアーチを拡げ、その後に歯列矯正で歯並びを整え、最後に左下5はブリッジを入れる」という意味が良くわからないですね!
 歯並びを修正するために何ミリのスペースが必要で、前歯を後退するスペースに何ミリ必要だから、残ったスペースを閉鎖する方が良い選択なのか。または、歯並びも悪くなく、前歯も後退する必要がないから、上を歯を抜くのはムダと判断して、下の先天欠如部は閉鎖せずにブリッジにするのか?

 これを違う方向からみると、先天欠如部をブリッジにするメリットとデメリット、先天欠如部を閉鎖するメリットとデメリットということになるでしょう。

 この歯並びを並べるためのスペースと前歯を後退するためのスペースの量について、もう一度担当医に聞いてみてください。さらに、上下の第二大臼歯の生えて来るスペースについても、この時期から考えておく必要があるでしょう。

 また、日本矯正歯科学会の認定医、専門医の名簿から、ご近所の専門医を持っている先生の話しもお聞きになっておいた方が良いでしょう。

http://www.jos.gr.jp/search/index.html

 以上、少しは参考になったでしょうか?
 また、わからないとこがありましたら、書き込みお待ちしております。


 カテゴリ: 【お母さんからの質問】 治療開始前の質問 永久歯に生え替わってから
ヘッドギア
2010年9月1日(水)17:31:08相談者:てとりん(女性)45歳 大阪府
一年前から今年12歳になる娘が矯正しています。上スペースなく八重歯可能性、先天性欠如下5番左右ということで抜歯しないのが希望でした。最初伝えています。拡大床という装置を前歯につけ 先日1年たったので検査をしました。するとヘッドギアを12時間2年つけるかそれがいやなら、永久歯がはえおわり下2本ないので上2本抜歯するといわれ
私は愕然としました。来年中学になり12時間もヘッドギアなんて毎日無理です。娘もあまりしたくないようです。
この方法しかないのでしょうか?
他の矯正にかわりたい気持ちになりました。

回答 Re:ヘッドギアも抜歯もしないで治療したい
2010年9月23日(木)19:30:32回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 てとりんさん、治療方針に関するご質問ありがとうございます。
 お嬢さんの年齢の12歳の時期は、ちょうど一番身長が伸び、乳歯の永久歯の生え替わりもほぼ終了する時期です。また、最初に生えてくる第一大臼歯(6歳臼歯)の後ろに第二大臼歯(12歳臼歯)が顔を出す時期でもあります。

 この時期の矯正治療の大切なことは、あごの位置がズレている場合に、成長を利用してこれを修正することと、できるだけ歯を抜かないで治療するための下準備の結果が出る時期です。

 てとりんさんのお嬢さんの場合は、上の犬歯が八重歯で歯並びが悪く、下の2本目の小臼歯(奥歯のすぐ手前で第二小臼歯)が先天的に欠如していると言うことですね。
 
 つまり、上は新しく生えてくる永久歯のスペースが不足しており、下は左右の第二小臼歯の先天欠如によって隙間が余ってしまっている状態です。このままでは、上の犬歯は八重歯になり、先天欠如している部分の乳歯が抜けた後は、奥歯がやや前方へ移動し、前歯もやや後退して、下の歯並びはスキマだらけの空隙歯列になります。さらに、下の前歯も後退していくので、上の前歯が出過ぎの「出っ歯」状態になってしまうことが予測されます。

 こうならないように、矯正治療を1年前から始められたと思います。
 ここからは、私の推測ですが、てとりんさんの担当医の先生は、上の犬歯のスペース足りないので、できるだけ上あごの幅を広げて犬歯のスペースを作る事から始めたようです。

 しかし、上あごを広げただけでは、足りなかったようですね。このままでは、上の犬歯の飛びで方が少し良くなるだけで、やっぱり「出っ歯八重歯、下はスキッ歯」になってしまうと判断したのだと思います。

 このため、1か2の方法を選択することにしたようです。

1.上の奥歯を後退して、犬歯のスペースを確保し、さらい上の前歯も後退する。
2.または、上の歯の本数を下と同じ本数に減らして、「八重歯」と「出っ歯」を防ぐ。

 治療を始める時に、てとりんさんからは、抜歯はしたくないとあらかじめ伝えてあり、ヘッドギアーなんか1日12時間もムリという事と思います。

 では、どのようにして「出っ歯」と「八重歯」を防ぐ事ができるのでしょか??
 私はお口の中は拝見していないので、想像だけですから、間違っていたらゴメンなさい。
 
 てとりんさんの書き込みから判断させていただくと、やはり上の小臼歯2本を抜歯するか、ヘッドギアーがどうしても必要と思います。場合によっては、抜歯とヘッドギアーの両方が必要になる可能性もあるでしょう。

 すでに下の歯が2本足りないワケですから、上の小臼歯の抜歯も良い選択肢と思います。また、頑張ってヘッドギアーを使ってくれれば、抜かない治療も可能かも知れません。

 「来年中学になり12時間もヘッドギアなんて毎日無理です。」と書かれていますが、私の患者さんは、みんな頑張ってくれていますヨ。

 学校にはして行かなくて良いですし、帰宅してから、食事の時もお風呂の時も歯ミガキの時も外す事ができますので、ぜひ頑張ってみてはいかがでしょうか??中学生どころか高校生や大人の方にもヘッドギアーを使用して、抜かない上顎前突の治療や、「出っ歯」にないで歯並びを治す治療を私は実践しています。

 ヘッドギアーは、はたで見るととんでもなく大変な装置のように見えますが、実際につけてみると、本人への負担はメガネをかける程度です。また、つけたまま、勉強もできるし、小さなお菓子は食べられますし、ストローを使えばジュースも飲めます。装置の着脱も慣れてしまえば5秒でできるようになりますので、ぜひ考え直していただきたいと思います。

 ヘッドギアーは骨折した時のギブスに似ている所があります。多少不自由ですが、使用した方が絶対に患者さんの利益につながるので、私は躊躇なく必要な場合はヘッドギアーを使用します。

 また、解らない事がありましたら、書き込みお待ちしております。

Re:ヘッドギア
2010年9月27日(月)21:01:14返信者:匿名
詳しい説明ありがとうございます。
ヘッドギアでがんばってみることにしました。
見るとやはりよいイメージ(すいません)がなく 拒否反応が正直でてしまい 拡大床装置もしていたので
あわててしまったのも事実です。
先生の説明本当に疑問がとれました。
娘とできるだけ付けれるようがんばります。


 カテゴリ: 【本人からの質問】 治療開始前の質問
根っこを引き出すための小矯正
2010年8月20日(金)16:01:48相談者:トミー(女性)58歳 東京都
上前歯の差し歯{セラミックス)が転んだ時ぶつけてしまい少し欠けてしまったので新しい差し歯に取り替えることになり削ったら何と医師に根っこが短くて差し歯に出来ないと言われました。根っこを上に1-2ミリでも引っ張り上げる為にその差し歯の両側三本を裏から小矯正するのはどうか?と言われました。費用は当初は矯正無しの13万だったのですが小矯正となるとプラス7万円という事でした。期間は4週間です。ただし転んだ時に当差し歯の隣の歯もぶつけた拍子にぐら付いてしまい、まだ違和感が残っているのでもう少しその歯が落ち着いてからだったら考えても良いとお答えしました。
お聞きしたいのは4週間位の矯正で根っこを引き出す事は可能なのでしょうか?お忙しい所恐縮ですが宜しくお願いいたします。

回答 Re:根っこを引き出すための小矯正
2010年9月1日(水)12:05:12回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科
 トミー様、歯を引っ張り上げる小矯正のご質問ありがとうございます。
 担当の先生は矯正のテクニックも持たれているようですね!

 さて、4週間で1〜2mmmの挺出(歯が出る方向に引っ張り上げる)は可能と思います。ただ、目標の歯は挺出しますが、この歯を挺出させるために使用した歯は、逆に圧下(沈み込む)することになります。これは、基本的な物理の法則そのまんまです。

 しかし、「転んだ時に当差し歯の隣の歯もぶつけた拍子にぐら付いてしまい、まだ違和感が残っている」という部分が気になります。もし、歯の根と歯槽骨の間にある歯根膜という組織が壊れていたり、修復によって歯の根とあごの骨が直接「癒着」しているような場合には、歯の移動ができなくなる可能性もありますにで、注意が必要です。

 費用に関しては、そこの先生次第ですので、何ともお答えできかねますので、御了承下さい。

 やはり、担当の先生とよく相談して、納得がいってから治療を始めるのが良いでしょう。また何か、心配なことで歯の移動に関することがあれば、書き込みお待ちしております。


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