Senさん、はじめまして!子供の矯正治療の開始時期についてのご質問ありがとうございます。
Senさんのお嬢さんは、基本的には叢生(歯並びがデコボコ)の症例のようですね! あと、少し上の歯が出過ぎか咬み合わせが深過ぎかも知れません。 「今から始めると1期治療で終われるのでしょうか?親の気持ちとしては早く治してあげたいのですが、1期で終われないのだったら負担とか考えると2期からにしようか迷います。」 という御質問ですが、一期治療と二期治療についてご説明します。
一期治療は抑制矯正治療と言い、「これ以上悪くしない治療」です。 二期治療は全部の永久歯に対する治療で、本格矯正治療とも言います。
一期治療の必要な方には、 1.上下のあご自体の位置に問題のある方 2.前歯など歯のデコボコによって、ズレて咬む癖がある方 3.口呼吸や指しゃぶり、舌を突き出して飲み込む癖などの悪い癖のある方 そして、 4.一期治療を行なうことで、歯を抜かないで治療する事が出来る可能性のある方
つまり、一期治療を行なえば、二期は必要ないということではありません。 子供の場合は、身長が伸びる時に下あごだけがどんどん大きくなる成長パターンを示します。これによって、反対咬合の子はどんどん下あごが突出して症状が悪化しますが、下あごが引っ込んで上の歯が出過ぎになっている子は、成長を利用して上下のあごの関係を改善する唯一のチャンスです。
Senさんのお嬢さんは、上顎前突でも反対咬合でもありませんので、悪い癖がなければ二期治療からのスタートで良いわけです。 しかし、あごの幅を側方へ拡大したり、奥歯を後退することで、前歯が出過ぎにならない範囲で歯を抜かないで並べられるような場合には、全部の永久歯が生え揃う前に治療を開始した方が良い場合もあります。これらの治療は小学校高学年までに済ませてしまわないと、できなくなってしまう治療も少なくありません。 ただし、この拡大を行なっても、永久歯がすべて生え揃った時点で、やっぱり前歯が出過ぎになっしまった場合や二本目の奥歯(第二大臼歯)が生えるスペースがない場合には、やはり小臼歯を抜歯して治療しなければならない場合もあります。
このように、一期治療と二期治療では、その役割が全然異なりますので、一期治療だけで二期治療を行なわなくても良い患者さんも中にはおりますが、とても少ないと考えて良いでしょう。 最後に、かかりつけの先生に「将来的には矯正はさけられないが、軽度だし今は混合期なので、アゴ伸ばしするとスキッパになる可能性が高い」と言われたようですが、スキッ歯になるくらい、あごは伸ばせませんのでので、ご安心を!!
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