JHさん、こんにちは。犬歯の埋伏による永久歯の根の吸収についてのご質問あがとうございます。「健全な歯をこのような状態まで何もしてあげれなかったのかどうしょうもない後悔をしています」というお気持ちは大変よくわかりますよ!でも、すでに吸収してしまった根を嘆いてみても仕方ありません。この際、前向きにこれからの事を考えましょう。 まず、やはり永久歯の前歯の根の吸収の原因になっている左右の犬歯をどける事が重要です。このための矯正治療は避けて通れませんのでご了承下さい。 以前にも書きましたが、このような犬歯による前歯の根の吸収の頻度は意外と多いものです。当院でもかなりの数の同じような患者さんがおり、根が全長の半分くらい吸収された場合には、私も「あまり長くは保たないかも知れませんが、このまま使えるだけ使ってみましょう」と言いますが、これまで「先生!やっぱり抜けちゃいました」と言われた事はありませんょ。(笑) また、6年ほど前になりますが、前歯の根の長さが通常の1/3程度しかない患者さんもおりました。このかたは当時小学校5年生の女の子で、歯科衛生士さんのお嬢さんでした。このような根のコンディションが良くない状態で、矯正治療を行なって歯の移動を行なうのはかなりためらいましたが、約2年ほどで矯正治療も終了し、その後4年間拝見しておりますが、抜けてしまうような兆候はありません。確かに少しグラグラしているように思いまが、根が吸収された歯でも、長さは元の長さになる事はありませんが、大切にすれば自然に治癒して意外に保つものだなと感じております。 JHさんのお嬢さんの前歯の根の状態がどの程度であるか解りませんが、「なんとか持つとこまでこのまま様子を見よう」という言葉には、もう少し期待を持った方が良いですよ! また、もしやっぱりダメでも、最近ではインプラント(人口歯根)が非常に優秀な成績を上げており、見た目も天然歯とほとんど見分けがつかないまでに進歩しておりますのでご安心下さい。昔のように若いのに入れ歯というにはならないと思います。 今回は10歳で発見されたわけですから「早く見つかって良かった」と考えるべきです。 これからも、最悪の場合を考えて嘆くよりも、今できる事に全力をつくす事が大切ですよ!それに、思ったほど最悪の結果をたどる事は多くはないですヨ!
|