かいとぱぱさん、初めまして。1期治療(抑制矯正治療)に対する考え方についてのご質問ありがとうございます。確かに「かいとぱぱ」さんのようにお考えになるのが、一般的と思います。 今回は、この「1期治療」「2期治療」という言葉が悪かったようですね! 「1期治療」は「抑制矯正治療」。「2期治療」は「本格矯正治療」と言います。
「抑制矯正治療」は「これ以上悪くないようにするための矯正治療」とご理解下さい。 これは、上下の永久歯の前歯4本が生え揃う時期に、そのまま放置すると症状が悪化する原因となるものを除去して、できるだけ正常なあごの成長を誘導しようとするものです。 これらには、 1.上下のあご自体の位置がすでにズレている場合 2.上下の前歯の咬み合わせによって、正常なあごの成長が阻害される可能性のある場合 3.指しゃぶりや口呼吸など悪い癖がある場合 以上の3つに該当する場合には「抑制矯正治療」いわゆる「1期治療」が必要です。
「かいとぱぱ」さんのお子様の場合は2の前歯の咬み合わせが悪い場合に該当します。 ここで、咬む動作について触れておきましょう。 咬む動作は単純に上下にあごが開いたり閉じたりするわけではなく、前後や左右に回転しながら、前歯では咬み切り、奥歯では押しつぶす動作によって食物が粉砕されます。 この時に、前歯の咬み合わせが一本だけ逆になっていると、この回転する動作が非常にやりずらいだけでなく、上下の前歯が非常に強く当る事になります。 「かいとぱぱ」さんのおっしゃるように、生え揃うまで待っていると、最悪の場合にはせっかく生えて来た永久歯の前歯が強く当ることによって欠けてしまったり、削れてしまったり、下の前歯が「咬合性外傷」といわれる状態となって、歯茎が下がって歯が伸び出したように見えるようになる可能性があります。 まさに、このまま放置すると悪化する状態と思いますがいかがでしょうか?
さらに、咬む位置が互い違いになった前歯で規制されるため、下あごの成長が前後にズレて発育したり、左右に曲がってしまう危険性があります。このような理由で、この時期から、前歯の咬み合わせを整えておく必要があります。 また、抑制矯正は上下の前歯4本と上下のあごを対象にしますので、当然これから生えてくる上の左右側切歯もその対象になります。1本で30万という訳ではないのではなと思いますよ! 側切歯はまだ生えていないようですが、今生えている歯に凸凹があるという事は、この側切歯の位置も凸凹になる可能性が高いという事ができます。 「かいとぱぱ」さんのご判断で、この時期からの治療をしない事もできますが、前記した歯の破折や摩耗、あごのズレがおきる前には治療を開始された方が良いと思います。
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