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抜歯か、削るか
2006年7月5日(水)06:59:24相談者:かれん
はじめまして。
丁寧な回答を拝見しました。とても初歩的な質問なのですが、相談させていただけますか?
私は28歳で、歯列矯正のために、2箇所歯科を訪ねましたら、
1、4本抜歯するか、(これを強く勧められました)
2、一本抜歯するか (これではかみ合わせはぴったりしなくなる、と説明されました。
3、何本かの歯を4分の一ミリづつ削るか、
と言う3つの選択を説明されました。
1,2は歯科A から、歯科Bは"レントゲン、写真、モデルを作ってからもっと詳しく話ができる、と前置きされてから、抜く(どの歯かは言われず)そして削る方法を説明されました。
削ることによるリスクはどのようなことがありますか?
健康な歯を矯正の為に抜く事、または削る事の、メリット、デメリットそして、将来の歯へのリスクをお教えください。
今までの相談内容を読んで、抜かないというのが一番良い、というわけでは無いことはわかりました。
でも、削ると言うのは・・?
お返事をお待ちしています。よろしくお願いします。

Re:抜歯か、削るか
2006年7月6日(木)21:07:40回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科編集
 かれんさん、こんにちは!「抜歯か削るか?」のご質問ありがとうございます。
 抜歯と歯を削る場合のメリットとデメリットですが、少し見方を変えて、ではなぜ歯を抜いたり、削ったりしなければならないのか?という所(診断)から考えてみましょう。

 歯を抜いたり、削ったりしなくてはならない理由は大きく分けると2つです。
 一つは歯並びを真っ直ぐに並べるためです。
 今、歯並びがひどくデコボコの方がいたとしましょう。この方に歯にブラケットをつけて、何も考えずに柔らかいハリガネから徐々に太くして行くと歯並びはだんだんに真っ直ぐになってきます。しかし、前歯がどんどん出っ歯になってきます。イメージがわいて来たでしょうか?
 歯が大き過ぎて、歯並びが悪い場合に無理に並べると出っ歯になってしまいます。
 このため、歯の本数を減らして、このスペースを利用して真っ直ぐに並べると、出っ歯にならずに済むわけです。
 抜歯が必要なもう一つの理由は、前歯を後退するためです。
 上下の歯並びは真っ直ぐで、デコボコはぜんぜんない人でも、上の歯が出過ぎになっている方がいらっしゃいます。この場合は、犬歯の後ろの歯などを抜いて、この隙間に前歯を後退して出っ歯を治すわけです。

 従って、抜歯か歯を削ることが必要と言われたという事は、歯並びを直すスペースが足りないか、前歯を後退する必要があるということです。
 ここで、左右2本の小臼歯を抜いた場合には、一本の大きさが約7mm程度ですから、左右で14mmのスペースを使用できます。このうち、歯を真っ直ぐに並べるために6mm、残った8mmで前歯を4mm後退できるという事です。
 一方0.25mmずつ何本か削ったとしましょう。一本の歯の左右2個所を0.25mmずつ落とすと1本で0.5mmのスペースが作る事ができます。前歯6本を全部削ったとしても3mmのスペースしかできない訳です。これでは、現在の前歯の位置をキープすることもできない事になります。さらに、あと4本削ったとしても、現在の前歯の位置をキープするのが精一杯で、前歯は後退できない計算になります。

 従って、スジを通して考えれば、真っ直ぐに並べるために必要なスペースと前歯を後退するために必要なスペースを足したものが、4〜5mm以上であれば抜歯した方が有利です。この数字はその先生によって異なりますので、絶対的なものではありません。
 歯を削る方法もそれほど悪くはありません。私も歯の大きさに左右差があったり、ほんの少しスペースが欲しい時には削らせていただきます。しかし、どうしても歯の形が細くなってしまったり、エナメル質が薄くなる、あるいは隣の歯との接触が点や線ではなく面になりやすく、いずれにしろ、たくさんは削る事はできません。

 抜くは削るかは、方法論です。
 <前歯をどのくらい後退したいのか?>ということが、抜くか削るか判断の診断における分かれ目になる所です。
 しかし、患者さんによっては「できるだけ歯は抜きたくない」「歯を抜かない先生が良い先生だ」という評価をされるた方が結構たくさんいらっしゃいます。この辺を考慮して、抜く本数を減らしたり、削って済ませる努力はしなければなりません。
 我々は専門家ですが、治療は患者さんの気持ちを一番に考えなくてはならないのです。

 4本の抜歯を強く勧められたという事ですから、かれんさんの場合は診断上は抜歯が有利なのだと思います。
 次回、矯正歯科にご来院の際には、歯と抜いた場合と削った場合で仕上がりにどのような差がでるのかをお聞きしてから、判断した方が良いでしょう。

Re:抜歯か、削るか
2006年7月7日(金)05:01:03返信者:かれん
とても丁寧な回答、ほんとうにありがとうございました。数字で説明していただいたところなど、深く納得できました。小さな町に住んでいるので、矯正歯科の選択が二箇所しかなく、誰に聞けばよいのか悩んでいたところでした。二箇所ともドクターは、初回の相談では”レントゲンを取らない限り”あまり込み入った説明はまだできない、とされていたので。小笠原先生のアドバイスを踏まえて、レントゲンを取りに行きます!
ありがとうございました。またなにかありましたら、頼らせていただきます。素早いアドバイスに感激しました。

Re:抜歯か、削るか
2006年7月9日(日)17:42:08回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科編集
 レスありがとうございます。
 少しでもお役に立っていただけると嬉しいです。
 矯正治療は辛い事もありますが、頑張った達成感も治療された方でなければ味わえません。
 ぜひ、ベストのコンディションのスマイルをゲットして下さい。



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