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バネによる治療
2020年6月2日(火)相談者:ボブ 【東京都】 男性 12歳
上の歯は混合歯列です。顎が小さくて歯が並びきらないと言われワイヤー矯正を始めました。乳歯二本(乳犬歯第一乳臼歯)が抜けていて歯のスペースは1本弱くらいしかありません。反対は八重歯生え始めです。
まだ第二乳臼歯もあります。
下の歯の犬歯を間に入れるためバネを使って少し歯を動かしたところ、片側が内側に入り、前の歯が4本外側に倒れたのか上下の噛み合わせが浅くなりました。
上の歯も同じようにバネを使いスペースを作ると言うのは歯が前に出すぎてしまわないか心配です。
検索するとバネは抜歯の時に移動で使用することが多いように思います。今の治療は歯のスペースが無いのにバネで場所を取り合うように感じてしまいました。
バネで顎は拡大しませんよね?歯が出っ歯のようにこんもり開いていってしまいますか?
この治療続けて大丈夫でしょうか。

Re:バネによる治療
2020年6月8日(月)12:36:55回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科編集
 ボブさんこんにちは!書き込みありがとうございます。
 結論から言うと、ボブさんの疑問はおっしゃる通りです。

 さて、「顎が小さくで並びきらない」と言う意味から解説しましょう。

 歯が大きいのか?それともあごが小さいのか??
 どちらか一方か、または両方でも歯並びが悪くなります。
 それでは、あごの大きさとは、どの部分を言うのでしょう?

 あごの大きさの計り方は、右の奥歯(第一大臼歯:6歳臼歯)の前面から、左の奥歯(第一大臼歯:6歳臼歯)の前面までの長さを言います。つまり、歯列を上下から見た時に、乳歯の奥歯の後ろから、いきなり生えて来る永久歯(第一大臼歯:6歳臼歯)の右前面から左前面までアーチの長さです。レントゲンや抜けた歯のスペースと平均的な新しく生えて来る永久歯の大きさを比べているのではない事を覚えておいてください。

 では、歯の大きさはどうやって計るのでしょう。これは、右の奥歯(第一大臼歯:6歳臼歯)から左の奥歯(第一大臼歯:6歳臼歯)と、その間に乳歯と生え変わる10本の永久歯の幅を全部足し算した大きさが、その方の永久歯の大きさになります、

 ここで、上記のあごの大きさ(右奥歯から左奥歯のアーチの長さ)が10cmだったとしましょう。このスペースに、1本1cmの歯が10本生えて来れば、ジャストフィットします。しかし、1本の歯の大きさが1.2cmだったとすると、12cmのあごの大きさが必要です。この2cmのスペースの不足分だけ、重なって生えて来なくてはなりません。この重なった部分は歯並びが悪くなる部分です。

 現在、ボブさんの歯は抜け換わっている途中で、「乳歯二本(乳犬歯と第一乳臼歯)が抜けていて歯のスペースは1本弱くらいしかない」と言う事です。乳歯から永久歯への生え替わりは、上下の前歯から始まります。この時、生えて来るのが早い歯が先にスペースを占領してしまいます。上の前歯4本が生え揃った所で、次に生えて来る犬歯かその後方の第一小臼歯のスペースが1本分しか無くなっているワケです。

 さて、現在の1本分しかないスペースを広げると、前歯が前へ出てしまったり、開いたスペースの前後の歯が外側へ飛び出したり、内側へ倒れたりするは当たり前です。スペースが足りない部分だけを隙間を開こうとすると、隣の歯や前歯が出っ歯になるのは想像でききると思います。

 歯が大きいのをそのままにして、あごの大きさを拡大して解決しようとすると、奥歯から奥歯のアーチの長さを大きくする必要があります。つまり、前歯を前へ出すか、幅を広げるか、奥歯を後退するかのどれかが必要です。

 この歯列を拡大して解決すべき状態は、前歯が内側へ倒れて歯並びの悪い場合、あごの幅が狭くて歯並びが悪い場合、または、奥歯の後方移動が必要な場合で、それもアリです。

 ここまで読んでいただければ、1本分しかスペースがない場合にその部分だけ隙間を開ける治療が、少し違う事が解っていただけたと思います。

 まずは、きちんと計測して、あごが小さいのか歯が大きいのかを判定すること。さらに、前歯の位置を前方へ出しても良いのか、それとも後退する必要があるのか?奥歯の位置は後退した方が良いのかどうか?これらをセファロと呼ばれる側方頭部規格X線写真というレントゲン写真を計測して、判定するのが正しい道筋です。

 また、あごの大きさが小さくのではなく、歯が大きい場合は歯のサイズを小さくしなくては治りません。前歯の位置が正常で、あごの横幅も正常、奥歯の後退も行う必要が無い場合には、この歯を小さくする治療方法が正解です。

 歯の大きさが極端に大きく、あごの大きさを大きくしても追いつかない場合には、やはり歯の大きさを小さくする必要があります。これが、歯の本数を減らして治療する必要があると言うことです。簡単に言うと、歯を抜いて矯正歯科治療が必要が方が、これに当たります。

 総括すると、歯の生えて来るスペースがない原因を突き止めないで、隙間を開くのは間違っています。

 我々、矯正歯科医はまずはしっかりと検査を行って、その患者さんの現在の状況を数値化して判定する診断という作業を行います。その上で、骨格にどの程度の問題があるか?今後の正常なあごの成長の軌道に乗せるにはどうしたら良いか、まだ乳歯が残っている状況でどのような治療が必要かを判定して、介入する時期(治療開始時期)と方法(矯正装置)を選択します。

 ボブさんの担当医は矯正歯科医でしょうか?矯正歯科の専門教育を受けた先生は日本矯正歯科学会の認定医か、臨床指導医の資格を持っていますので、日本矯正歯科学会のホームページで簡単に検索できます。できれば、日本矯正歯科学会の認定医か臨床指導医の資格を持っている先生でに、もう一度ご相談ください。また、矯正歯科を専門にされている先生方の集まりである日本臨床矯正歯科医会に所属されている先生であれば、さらに安心です。

 少しでもお役に立てれば、嬉しいです。
 また、質問がありましたら、書き込みを待ちしております。



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