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矯正治療についての不安
2008年7月16日(水)15:21:52相談者:あかりん 【静岡県】 女性 32歳
はじめまして、前顎突出での矯正治療を考えている32歳の主婦です。すでに何件か矯正歯科で相談をし、治療についてはやろうと思っているのですが、いくつか不安な点があるので、相談させていただきたいと思いました。
その不安な点とは、
1.歯槽骨と歯根が癒着していて、歯が動かない人がたまにいるとの事だったのですが、実際にはどのくらいの頻度でしょうか、か?また、もしそうなら治療は諦めないといけないのでしょうか?
2.インターネットなどで、矯正治療をすることで、今までの噛み合わせを劇的に変えてしまうから、その変化に脳がついていけず、精神的な悪影響が出ることもあるというような事がかいてありましたが、実際にそのような方はいらっしゃるのでしょうか(私は過去にパニック障害で治療を受けていたため、特に気になります)

本来は、相談した矯正歯科で相談すべきとは思うのですが、仕事の関係で次の診察までまだ時間があるので、こちらに相談させていただきました。宜しくお願いします。

Re:歯が動かない不安と矯正治療による脳障害の不安
2008年7月17日(木)13:09:10回答者:小笠原 潤治 ウイズ矯正歯科編集
 あかりんさん、こんにちは。ご質問ありがとうございます。矯正治療は時間も費用もかかり、確かにお口の中の環境を大きく変えるので、躊躇されて当然と思います。

 もうすでに、いくつかの矯正歯科で矯正相談を受けられたとという事ですので、ご質問の件を回答させていただきます。

 最初の「歯槽骨と歯根が癒着していて、歯が動かない」という頻度ですが、これは統計の仕方によってかなり差がでて来るので一概には言えません。交通事故などと同じように、注意していても複数回遭遇してしまう先生もいれば、運良く難しい症例に当らない先生もいます。

 癒着していて動かない場合と根の先端が鈎のように90度に近く曲がっていて動かない場合があります。
 癒着の場合は外傷や炎症などの何らかの原因で、歯根膜が破壊されて骨癒着する場合がほとんどですので、原因になりそうな交通事故などの外傷があれば、比較的容易に予測できます。つまり、これまで癒着の原因となるような出来事がなければ、ほどんどの場合には大丈夫です。
 しかし、根の曲がりは原因になるイベントはほとんどなく、レントゲンでも左右に曲がっている場合には容易に見つけられますが、前後に曲がっている場合には非常にみつけずらくなります。

 私の場合にはこれまで開業して17年になりますが、外傷などによる癒着で歯がうごかなかった事はありません。しかし、根が曲がって動かない事は何度もありました。
 このような場合には、まず動かない原因を見つける事、そして歯を牽引する方向を変えてみること、それで上手く行かなければ口腔外科に御願いして軽く脱臼してから移動する事もあります。それでもダメなら、口腔外科で歯の周りの歯槽骨に刻み目をいれてもらって、癒着している歯槽骨ごと移動する事も考えられます。

 この「歯が動かない」という症状は、初診時には見分けがつかない事が多く、治療を始める前に矯正治療のリスクとして、あらかじめご理解いただくためにご説明している場合がほとんどです。
 ということで、頻度としては交通事故には気をつけて下さいというよりも低いのではないでしょうか?(笑)

 さて、2つ目にご質問ですが、こちらの方が頻度は高いと思います。
 「矯正治療をすると今までの噛み合わせを劇的に変えてしまうため、その変化に脳がついていけず精神的な悪影響が出る」とこの掲示板の過去のスレッドにも、何度もご質問いただいております。もし、これが心配であれば、矯正治療はされない方が良いと思います。

 私の患者さんで、これまで矯正治療が原因となって「精神障害」を発症した方はいらっしゃいません。しかし、治療途中で「うつ病」や「心身症」を発症して治療を途中で中止しなくてはならなかった患者さんやお母さんは何人もおります。急に「障害」を発症されてコミニュケーションをとる事が困難になった方、元から「パニック障害」をお持ちでしたが、うまくコントロールされて外科矯正治療を完了された方もいらっしゃいます。

 「うつ病」や「心身症」「パニック障害」の患者さんは、一般母集団での疫学調査で、100人に1人か2人の高頻度ですので、「矯正治療中に、たまたま発症した」と考えるのが普通と思います。しかし、発症された方はなぜか「矯正治療を行なったせいで発症した」と主張される方がほとんどです。精神障害の発症のメカニズムは、ここ数年で大きな進歩をとげ、「精神病」というよりは「脳病」といった、ある種の脳化学的な変化が発病の原因であり、薬物療法でかなり治療できるという事が解ってきております。

 つまり、歯の移動や咬む環境の変化が脳障害を与えているとは考えにくいのが現状です。私の意見ですが、あまりに障害の原因として矯正治療にこだわって、脳化学的な治療を行なわないのは、その患者さんにとって最も不幸な事と考えています。
 「矯正治療によって不調が発症した」と主張する患者さんの症状は、あまりに類似性が高く、各人様々な矯正治療を行なっているにもかかわらず、同じ症状というのは、やはり別のところに起因する「脳病」と考えた方が自然と思います。
 私の考えはさておき、やはり、あかりんさんが以前のパニック障害が悪化するのではという危惧をお持ちでしたら、無理されない方が無難かも知れません。
 難しい選択と思いますが、またお約に立てそうな事がありましたら、書き込みお待ちしております。

Re:矯正治療についての不安
2008年7月17日(木)22:52:55返信者:匿名
お忙しい中丁寧に回答いただきありがとうございました。

歯が移動しない確率で「交通事故に気を付けてくださいとうより低いのでは?」というわかりやすいたとえで少し安心しました。それに、もし動かなかったとしてもなんとか方法はあるようで、それについてもほっとしています(かなり大がかりにはなりそうですが)

パニック障害のことについては、矯正の担当の先生と相談して治療をどうするか考えていこうと思います。ただ、私の場合は、どうやら産後の急激なホルモンの変化が大きくかかわっているのではないかと、心療内科の主治医に言われています。矯正治療でホルモンが劇的に変化するわけないので、そういった点では、そんなに気にしなくてもいいのかとは思っています。ですが、なにぶん素人なので、この考えが当たっているのか外れているのかわかりませんが…。

現在はネットで情報が簡単に手に入りますが、中にはよく知りもしないことを、適当に書いてあるだけの情報もあり、どれを信用すればいいか、本当に迷います。素人には判断が難しいので、こういった相談の掲示板はとてもありがたいと思います。

また、何かわからないことがあれば相談させていただくかもしれませんが、よろしくお願いします。



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