あいなさん、書き込みありがとうございます。 歯の移動が進むにつれて、不安な事が出てくるのは当然のことと思います。 現在のあいなさんのお考えは、担当医へ伝えたでしょうか? ぜひ、お口の中やお顔を拝見できない私のような者ではなく、担当医の先生へ おたずねください。きっと納得の行く回答が得られると思います。
ここからは、私の予測と推測が入って来ますので、あらかじめお断りしておきたいと思います。
まず、担当医の先生が「下顎が平均より長いため、上の歯が全体的に出ていても、そこまで気にならない」と言う意味を考えてみたいと思います。あいなさんの気になっている所は「上が出ている事」でしたので、担当医の分析の結果は「上だけでなく、下も出ています」という事だと思います。下も出ているために、上が出ている感じが弱まったという事を言っているのだと思います。
さらに「矯正をすることで出っ歯は治せるが、下顎が平均より長いため、 矯正終了時には少し顎が出るのが気になるかもしれない」の意味を考えてみます。今回の治療では、上下左右の小臼歯を1本づつ抜歯して、上下の前歯を後退するので、上下の前歯は両方とも後退します。このため、鼻のてっぺんと下あごの先端を結ぶライン(Eラインと言います)に対して、上下の口唇が後退するため、下あごの先端部分(オトガイ部と言います)が現在より、目立つかも知れませんと言うことだと思います。
通常、あいなさんのように、上下の前歯が出過ぎの場合には、口を閉じる時に上下の口唇が前歯を覆うためにギュッと伸びて、オトガイ部の筋が緊張するために、口元の突出が強調されて、オトガイ本来の形態が損なわれて、下あごの先端が引っ込んだように見えるようになります。
この出過ぎの上下の前歯を後退することで、口元の筋肉の緊張が解けて、口唇の位置は後退し、それに伴ってオトガイ部の形態が本来の形に回復します。このことを、担当医の先生は、矯正治療によって少しあごが出て来たような気がするかも知れませんと言ったのだと思います。
この「オトガイ部の本来の形」を回復する事は、矯正歯科治療の目的でもあり、我々矯正歯科医は非常に好ましい変化と捉えています。ただ、患者さんによっては、この変化も好ましく捉えられずに「下あごが出て来た」と感じられる方がいる事も確かです。
そのために、担当医の先生は上記のような説明をされたのではないでしょうか? 抜歯して矯正歯科治療を始めて3か月目であれば、まだまだ治療の入り口ですので、 やっと上下の歯を真っ直ぐに並べ終わったか、その途中という初期の初期です。
このため、上下の前歯の後退はまだまだこれからと思いますので「下あごは出てきた」と感じるのは、気のせいが大きいと思います。もし、担当医が矯正歯科の専門教育を受けた認定医か臨床指導医であれば、レントゲン写真上で何mm出たのか計測出来ますので、担当医にお願いしてみるのはいかがでしょうか? その上で、あいなさんの感じている事が実際に起きている事なのかをハッキリさせた上で、これからの矯正治療ライフを考えても良いのではないでしょうか?
抜歯して前歯を後退する治療を途中で止めてしまうと、患者さんの歯には大きなダメージだけが残り、矯正歯科治療の目的はほとんど何も達成さないままになってしまいます。我々矯正歯科医にとっては、最悪の結果です。
矯正歯科治療を止める前に、担当医の言った真意を理解し、ご自分の感覚を数値化して具体的に認識してから、決めても遅くはないでしょう。
ぜひ、担当医に少し時間を取っていただき、治療内容の確認とご自分の感じをお話しして、納得できる答えを見つける事をお勧めします。
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