ゆっこさん、ご質問ありがとうございます。とても、頭の良い方のようですね!
確かに抜く必要がある場合には、ゆっこさんのおっしゃるとおり、抜歯すべき歯は第一大臼歯でしょう。 しかし、ゆっこさんの場合は「歯を並べるスペースが足りないわけではないので抜歯せずに治療できる」のですよね! 抜歯する必要のない方の一番大きな第一大臼歯を1本だけ抜歯したらどういう事になるか想像してみて下さい。 抜歯したスペース(多分約11mmくらい)に、その後ろの健全な第二大臼歯と第三大臼歯がスーゥッと前に寄って来ると思っていらっしゃると思います。が、そんなに簡単にトンヤはおろしませんよ!!(笑)
まず、抜歯した第一大臼歯のスペースを閉鎖するために、下の歯全体にマルチブラケット装置を装着して、全体の歯並びを治してから、第二大臼歯+第三大臼歯と小臼歯から前方の前歯とさらに反対の奥歯までにゴムをかけて引いてみます。 すると、どんなに気をつけても、抜歯した側の小臼歯が第二大臼歯方向へ移動してきます。すると上下の歯の正中(前歯の真ん中)が抜歯した方向へ寄ってきます。 また、前方へ移動する第二大臼歯は抜歯した第一大臼歯よりも高さを維持する事が出来ずに、咬む高さは抜歯した方が低くなり、咬合平面は抜歯した方向へ傾いてしまいます。 つまり、咬み合わせの左右の高さのバランスを現状のまま維持できなくなるのです。
やっぱり、抜かずにできる治療は抜かない方が良いと思います。こんなリスクを犯す必要はないでしょう。
まして、神経のない第一大臼歯でも、立派に何十年も維持している歯はいくらでもあります。まだまだ第一大臼歯を保たせることが可能なのですから、大切にしましょう!
そもそも、真っすぐに生えて来ている親知らずは抜歯しなくても良いのではないですか?水平に倒れていたり、第二大臼歯の後方で変な方向を向いていると、感染して痛くなったり、張れたり、最悪の場合は第二大臼歯の根をムシ歯にしてしまうので、このように悪さを働く親知らずは、抜歯の対象になりますが、悪さを働かないのであれば抜歯する必要はありません。
どうしても、この親知らずを抜歯する必要があるとすれば、この親しらずのスペースを使用して、第二大臼歯を後退する必要がある場合です。例えば、反対咬合で下の前歯を後退する場合には、第一小臼歯を抜く場合と親知らずを抜く場合があります。
さて、納得していただけたでしょうか? 歯の移動の様子を言葉で書くのは難しいですね!絵をかけば、一発で解ると思いますが!! また、疑問がありましたら、書き込みお待ちしております。
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