八重歯さん、上下の歯の本数が違う場合の仕上げについてご質問ありがとうございます。数は多くはないですが、八重歯さんのように上の小臼歯2本を抜歯する治療が必要な方もいらっしゃいます。 正常な歯の咬み合わせは、上下の犬歯から後方では歯車が咬み込むように互い違いに咬んでいます。つまり、下の犬歯より上の犬歯は半本分後方へ咬みこんでいます。これは、見方を変えると下の犬歯とその後ろの第一小臼歯の間に咬み込むようになっています。ここから、大臼歯までは上の歯1本に対して下の歯2本、下の歯1本に対して上の歯2本が接触するようになっています。上下の奥歯はかなり大きく見えますが少し見方を変えると小臼歯が2本つながったような形をしています。従って、上下の奥歯は下の歯の方が上の歯よりも小臼歯半本分前方へ咬むのが普通です。 さて、この正常な咬み合わせをベースに、上の左右の小臼歯だけを抜いた咬み合わせを考えてみましょう。犬歯の関係は正常な位置においておかないと、上の歯が出過ぎになったり、下の歯が出過ぎになったりします。上の小臼歯が一本ないと、上の奥歯が小臼歯半本分前方を咬み込むようにすれば、キレイに咬ませる事ができます。つまり、正常な場合は下の奥歯の方が小臼歯半本分前にある状態を、上の奥歯の方を小臼歯半本分前方で咬み合わせれば、小臼歯の本数が足りなくても上下で互い違いにしっかりした咬み合わせを作る事ができます。 なかなか、文章で説明するのは難しいですが、上しか小臼歯を抜歯しなくても、しっかりした咬み合わせを作る事は充分可能ですのでご安心下さい。
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