上顎2本抜歯+手術 |
2007年4月17日(火)11:56:42相談者:rinko |
小笠原先生こんにちは、初めまして。
最近、矯正を始めた20代女性です。 元々、叢生で、噛みあわせと見た目を治したかったために、病院を訪れたのですが、私の場合、骨格的な 左右非対称と若干の受け口であるとのことで、叢生の酷い上顎小臼歯2本の抜歯、下顎は非抜歯、術前矯正の後に外科手術を行うとの事でした。
現在は反対咬合にはなっていないのですが、術前矯正の間に反対咬合、もしくは切端咬合になるとのことでした。
「上顎のみ抜歯でかみ合うのですか?」と聞いたところ、このような症例は多いらしく大丈夫とのことでした。素人考えですが、上顎のみ抜歯すると、上顎の歯列は歯の角度が内向きになり狭くなり、下顎は非抜歯だから歯の角度は外側に広がり歯列が広くなるので、かみ合わなくなってしまうような気がするのですが、歯の角度や歯列の幅は矯正で上手くコントロール出来るんですか?
矯正の先生を信用していないわけではないのですが、周りに矯正をした人がいないので、色々と気になってしまいます。ましては外科手術ひかえているので・・・。
先生のご意見を聞かせていただけると幸いです。 宜しくお願いいたします。
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Re:上顎2本抜歯の術前矯正 |
2007年4月22日(日)14:06:55回答者:小笠原 潤治
(ウイズ矯正歯科) |
rinkoさん、初めまして。手術前矯正治療のご質問ありがとうございます。 咬み合わせを治すためとはいえ、わざわざ咬み合わせを悪くして、さらに上下非対称に抜歯するとはどういう事??とお考えになる気持ちは大変良くわかりますますが、これにはちゃんとした理由があります。 骨格性の反対咬合の特徴として、上あごが小さく、下あごが大きいですが、このため歯並びはどうなるかと言うと、上下の歯の大きさは平均的とすると、上の歯並びが悪く、下の歯並びは良い事になります。 さらに、下あごが前方へ突出し、上あごが引っ込んでいると、見かけ上の咬み合わせを調節するように「前歯の自然の補償」がおきます。これにより下の前歯が内側へ傾斜し、上の前歯が外側へ傾斜します。これによって、前歯の咬み合わせはほんの少し逆にしか見えなくても、あごの方は10mmから15mmもズレている事が多いのです。 この、「前歯の自然の補償」をそのままにして外科手術を行なっても、下あごはほんの少ししか後退できません。このため、この「前歯の自然の補償」すなわち、上の前歯の外側への傾斜と下の前歯の内側への傾斜を正常な歯の傾斜に修正した上で、あごのズレである10mmとか15mmの修正を行なう必要があります。 すなわち、上の前歯は内側へ傾斜させて、下の前歯は外側へ傾斜させる必要があります。上あごは小さく、歯並びが悪いわけですから、上の小臼歯は抜歯して歯並びを治すとともに、上の前歯を後退します。また、下の歯並びはそれほど悪くはなく、前歯は外側へ移動する必要がありますから、抜歯しないで並べます。 これで、なぜ上の歯を抜歯して下の歯は抜歯しないで並べるかお判りいただけたでしょうか?外科的な矯正治療を行なう骨格性の下顎前突の術前矯正治療では、かなり多くの方が、rinkoさんと同じように上の歯だけを抜歯します。 このような、片側的な抜歯を行なっても、きちんと咬めますのでご安心下さい。 症例は私のHPにもありますので参考にして下さい。
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Re:上顎2本抜歯+手術 |
2007年4月23日(月)00:33:42返信者:rinko
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丁寧なご説明ありがとうございました!
上顎のみ抜歯するのはそんなに特別なことではないんですね。安心致しました。 (先生のHPも拝見させていただきました) 確かに、今は噛み合っているけれど、下の歯はガタガタしていて内側に傾き、上の歯は外側に傾いています。顎のずれを補うためにこういう歯並びになっていたんですね。 一部はちょっと開口気味にもなっています。 そして、小臼歯は、顎が左右にもずれているために交差咬合にも・・・なんだか難しそうな症例ですね。
術前矯正には2年ほどかかる予定ですが、頑張ります。セカンドオピニオンが聞けて少し安心しました。 有難うございました!
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