NMさん、こんにちは。結論から言うと、歯が全て抜けてしまったのであればいざ知らず、「上の歯の出っ歯と、下の歯の歯並びの矯正」程度で、顔の頬などの側方部の輪郭までコケてしまうような事はありません。むしろ、体重の変動などによる変化の方が大きいのではなでしょうか。 上顎前突の治療を行って、上の前歯を後退した場合には、口唇周囲の突出感の改善が大きな治療効果となりますので、この変化との相対的な関連で頬がこけて見えるのかも知れませんネ。 頬の周囲の解剖学的な構造は、頬骨弓と言われる頬骨の部分が頬の上の部分で、下部は下あごの下顎骨の側方骨体部が支えています。この中間に上顎の歯槽突起と下顎歯槽部の骨があり、この上に歯が乗っている状態です。この歯槽部を覆うように、咬筋という顔の筋肉としては太くて大きな筋肉が乗っています。このため、歯の内、外側の移動を行なったとしても、頬部の形態にはほとんど影響を及ぼしません。その証拠に、我々は上あごの幅が狭い方に対して、上顎急速側方拡大装置(RME)という装置を使用して、6mm前後の横幅の拡大を行ないますが、この影響で頬部がふっくらするというような事はありません。 頬がこけてしまったことと、「歯並びが丸みを持ったU字型ではなく、かなり細いU字型」との間には関連性はありませんが、これとは別の問題として、細長いU字型と感じられる歯列弓の形態が気になるようであれば、担当医に一度相談してみてはいかがでしょうか?
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